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【中学理科応用問題】「電流」「電圧」「抵抗」に関する応用問題①~応用問題は、順序だてて考えることで答えが見えてくる~

・「電流」「電圧」「抵抗」を求める問題の解き方がわからない
という悩みを解消します。
 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
 今回は、中学2年生理科 電流分野から、「電流」「電圧」「抵抗」を求める応用問題について説明します。
 今日は、応用問題の中でも基本の方、レベル1とレベル2について説明します。

1 応用問題をどんどん解いていこう!

 最初に、次のことを頭にたたきこんでください。
電流の問題は難しくない!
 たびたび説明していますが、理科の問題にはこれが当てはまります。
難しい問題ほどワンパターン
 そして、電流の単元はワンパターン問題の宝庫なのです。
 では、なぜみんな電流は難しいと思うのでしょうか?
 それは、
テストで出題される問題になれていない
からにほかなりません。
 電流はある程度できるようになるまでに時間がかかります。
 特に、授業のように何十人もいっせいに教える場合には、誰でもよくわかる方法で教えなければなりません。
 そうすると、時間がかかります。
 基本問題を説明するだけで、授業時間が終わってしまいます。
 その結果、応用問題をする時間が無くなってテストを迎えるのです。
 だから、やれば絶対できるようになる問題をほとんど解かずに、テストを迎える人が多いのです。
 解決方法は何か?
 そうです。
応用問題を解く時間を増やす
ことなのです。
 ある程度、基本の問題を解いたのであれば、応用問題をどんどん解いていきましょう。
 早い時期に応用問題にふれることで「このようにテストに出てくるのか」「このようにとけばいいのか」ということがわかってきます。
 そうすればしめたもの。
 その段階で、学校で使っているワークを解きなおしてみると、問題が違って見えてくるはずです。
 「この問題ができるようになれば、アノ問題に使うことができる」「ここで、この法則を勉強するのは、後であれがわかるようになるためだ」ということが自然とわかってくるでしょう。
 その段階になれば、勉強をするのが楽しくなるはずです。テストの成績も上がるはずです。
 だから、今は少々つらくても、少し難しい応用問題を解いていきましょう。
 今の段階では自力で解けなくても大丈夫!
 解説を読んで「何となくわかる」という手ごたえがあれば、十分です。
 気楽な気持ちでやってみましょう。

2 応用問題をやってみよう(レベル1)

 次の問題は、テストで出題される応用問題の中でも、レベル1に相当します。
 まずは、これくらいの問題から解いて、問題になれていきましょう。
問題1 図のような装置で、電圧を1Vずつ変化させて、回路に流れる電流を測った。

電圧(V)  0  1.0  2.0  3.0  4.0
電流(A)  0  0.2  0.4  0.6  0.8
(1) 抵抗に加わる電圧と流れる電流の関係をグラフに書きなさい。

(2) この実験で用いた抵抗は何Ωですか。
(3) この抵抗に12Vの電圧を加えたときに、抵抗に流れる電流は何Aですか。

 まずは、5分くらい自分で考えてみてください。
 できるだけ、ノートか何かの紙に書いてみましょう。
 正解する必要はありません。
 ほんの少しでも、頭を動かしたということが大切なのです。
 わかってもわからなくても、5分たったら答えを見てみましょう。
【解答】
(1)

(2) 5Ω
(3) 2.4A
【解説】
(1) 表の電圧と電流の関係から、グラフを作成すればよい
(2) グラフまたは表から、数値を読み取る。
    1.0Vのときに0.2A電流が流れるので、E=IRに代入すると
    1=0.2R
    R=1÷0.2=5
    よって答えは、5Ωになる。
(3) 5Ωの抵抗に12Vの電圧がかかるので、E=IRに代入すると
    12=5I
    I=12÷5=2.4
    よって答えは、2.4Aになる。

 オームの法則については、こちらの記事で詳しく説明しています。

 説明を読んで、いまいちよくわからないという人は、こちらをご覧ください。

電流と電圧の関係(オームの法則)②~実際に計算で問題を解いてみよう~

2 応用問題をやってみよう(レベル2)

 続いて、レベル2です。
問題2 回路に流れる電流と電圧の関係を調べるため、実験A、Bを行った。
【実験A】 図1の回路で、抵抗①にかかる電圧と流れる電流は、図2のグラフのようになった。
【実験B】図1の抵抗①の代わりに、図3のように抵抗①と60Ωの抵抗②を並列につなぎ、6.0Vの電圧を加えた。このとき、抵抗①には0.3Aの電流が流れ、抵抗②には0.1A流れた。
図1

図2

図3

(1) 図1の回路図を書きなさい。
(2) 【実験A】で、抵抗①の抵抗は何Ωですか。
(3) 【実験B】で、並列つなぎの部分の全体の抵抗は何Ωか。

【解答】
(1)

(2) 20Ω
(3) 15Ω
【解説】
(1) 電気用図記号を用いて書きましょう。
    注意するのは、
・導線を直角に曲げる
・並列になる部分(電圧計につなぐ導線の部分)に●をつける

ことです。

 回路図の書き方は、こちらの記事で詳しく説明しているのでご覧ください。

直列回路と並列回路~簡単そうに見えて、つまずく人が多い最初の難関~
(2)
 図2のグラフを見ると、2.0Vの電圧のとき、0.1Aの電流が流れているので、E=IRに代入すると
 2.0=0.1R
 R=2.0÷0.1=20
 よって答えは20Ωになる。
(3)
(解法1:オームの法則を使う方法)
 抵抗①には0.3A、抵抗②には0.1Aの電流が流れているので、全体の電流は0.4Aになる。電圧は6.0Vなので、E=IRに代入すると
 6.0=0.4R
 R=6.0÷0.4=15
 よって答えは15Ωになる。
(解法2:和分の積の公式を使う方法)
 抵抗①と抵抗②は並列つなぎなので、全体の抵抗は「和分の積」になる。
 (2)で抵抗①は20Ω、問題文から抵抗②は60オームなので、
20×60    1200
――――――=――――――=1200÷80=15
20+60    80
 よって答えは15Ωになる。

 この「和分の積」による解き方は、こちらの記事で詳しく説明していますので、ご覧ください。

電熱線のつなぎかたと、全体の抵抗~直列回路と並列回路では全体の抵抗が違ってくる!~
 次回は、応用問題のレベル3とレベル4を行います。

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