・「電流」「電圧」「抵抗」を求める問題の解き方がわからない
という悩みを解消します。
こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
今回は、中学2年生理科 電流分野から、「電流」「電圧」「抵抗」を求める応用問題について説明します。
今日は、応用問題の中でも基本の方、レベル1とレベル2について説明します。
最初に、次のことを頭にたたきこんでください。
電流の問題は難しくない!
たびたび説明していますが、理科の問題にはこれが当てはまります。
難しい問題ほどワンパターン
そして、電流の単元はワンパターン問題の宝庫なのです。
では、なぜみんな電流は難しいと思うのでしょうか?
それは、
テストで出題される問題になれていない
からにほかなりません。
電流はある程度できるようになるまでに時間がかかります。
特に、授業のように何十人もいっせいに教える場合には、誰でもよくわかる方法で教えなければなりません。
そうすると、時間がかかります。
基本問題を説明するだけで、授業時間が終わってしまいます。
その結果、応用問題をする時間が無くなってテストを迎えるのです。
だから、やれば絶対できるようになる問題をほとんど解かずに、テストを迎える人が多いのです。
解決方法は何か?
そうです。
応用問題を解く時間を増やす
ことなのです。
ある程度、基本の問題を解いたのであれば、応用問題をどんどん解いていきましょう。
早い時期に応用問題にふれることで「このようにテストに出てくるのか」「このようにとけばいいのか」ということがわかってきます。
そうすればしめたもの。
その段階で、学校で使っているワークを解きなおしてみると、問題が違って見えてくるはずです。
「この問題ができるようになれば、アノ問題に使うことができる」「ここで、この法則を勉強するのは、後であれがわかるようになるためだ」ということが自然とわかってくるでしょう。
その段階になれば、勉強をするのが楽しくなるはずです。テストの成績も上がるはずです。
だから、今は少々つらくても、少し難しい応用問題を解いていきましょう。
今の段階では自力で解けなくても大丈夫!
解説を読んで「何となくわかる」という手ごたえがあれば、十分です。
気楽な気持ちでやってみましょう。
次の問題は、テストで出題される応用問題の中でも、レベル1に相当します。
まずは、これくらいの問題から解いて、問題になれていきましょう。
問題1 図のような装置で、電圧を1Vずつ変化させて、回路に流れる電流を測った。
電圧(V) 0 1.0 2.0 3.0 4.0
電流(A) 0 0.2 0.4 0.6 0.8
(1) 抵抗に加わる電圧と流れる電流の関係をグラフに書きなさい。
(2) この実験で用いた抵抗は何Ωですか。
(3) この抵抗に12Vの電圧を加えたときに、抵抗に流れる電流は何Aですか。
まずは、5分くらい自分で考えてみてください。
できるだけ、ノートか何かの紙に書いてみましょう。
正解する必要はありません。
ほんの少しでも、頭を動かしたということが大切なのです。
わかってもわからなくても、5分たったら答えを見てみましょう。
【解答】
(1)
(2) 5Ω
(3) 2.4A
【解説】
(1) 表の電圧と電流の関係から、グラフを作成すればよい
(2) グラフまたは表から、数値を読み取る。
1.0Vのときに0.2A電流が流れるので、E=IRに代入すると
1=0.2R
R=1÷0.2=5
よって答えは、5Ωになる。
(3) 5Ωの抵抗に12Vの電圧がかかるので、E=IRに代入すると
12=5I
I=12÷5=2.4
よって答えは、2.4Aになる。
オームの法則については、こちらの記事で詳しく説明しています。
説明を読んで、いまいちよくわからないという人は、こちらをご覧ください。
電流と電圧の関係(オームの法則)②~実際に計算で問題を解いてみよう~
続いて、レベル2です。
問題2 回路に流れる電流と電圧の関係を調べるため、実験A、Bを行った。
【実験A】 図1の回路で、抵抗①にかかる電圧と流れる電流は、図2のグラフのようになった。
【実験B】図1の抵抗①の代わりに、図3のように抵抗①と60Ωの抵抗②を並列につなぎ、6.0Vの電圧を加えた。このとき、抵抗①には0.3Aの電流が流れ、抵抗②には0.1A流れた。
図1
図2
図3
(1) 図1の回路図を書きなさい。
(2) 【実験A】で、抵抗①の抵抗は何Ωですか。
(3) 【実験B】で、並列つなぎの部分の全体の抵抗は何Ωか。
【解答】
(1)
(2) 20Ω
(3) 15Ω
【解説】
(1) 電気用図記号を用いて書きましょう。
注意するのは、
・導線を直角に曲げる
・並列になる部分(電圧計につなぐ導線の部分)に●をつける
ことです。
回路図の書き方は、こちらの記事で詳しく説明しているのでご覧ください。
直列回路と並列回路~簡単そうに見えて、つまずく人が多い最初の難関~
(2)
図2のグラフを見ると、2.0Vの電圧のとき、0.1Aの電流が流れているので、E=IRに代入すると
2.0=0.1R
R=2.0÷0.1=20
よって答えは20Ωになる。
(3)
(解法1:オームの法則を使う方法)
抵抗①には0.3A、抵抗②には0.1Aの電流が流れているので、全体の電流は0.4Aになる。電圧は6.0Vなので、E=IRに代入すると
6.0=0.4R
R=6.0÷0.4=15
よって答えは15Ωになる。
(解法2:和分の積の公式を使う方法)
抵抗①と抵抗②は並列つなぎなので、全体の抵抗は「和分の積」になる。
(2)で抵抗①は20Ω、問題文から抵抗②は60オームなので、
20×60 1200
――――――=――――――=1200÷80=15
20+60 80
よって答えは15Ωになる。
この「和分の積」による解き方は、こちらの記事で詳しく説明していますので、ご覧ください。
電熱線のつなぎかたと、全体の抵抗~直列回路と並列回路では全体の抵抗が違ってくる!~
次回は、応用問題のレベル3とレベル4を行います。
「電流」「電圧」「抵抗」に関する応用問題②~極意は、「困ったときは、グラフを見よ」~ | いやになるほど理科~高校入試に向け、”わからない”が”わかる”に変わるサイト~2021年2月18日 6:41 PM /
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