こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
中学生に勉強を教えて25年以上になります。
その経験を活かして、「授業を聞いてもわからなかった」人を「”なるほど”、そういうことか」と納得してもらうために記事を書いています。
「授業が難しすぎて、ついていけない」や「テスト前だけど、どうやって勉強したらいいかわからない」という人は、ぜひご覧ください。
今日は、「天気のグラフの読み取り方」を取り上げます。
最初に、はっきり言っておきたいことがあります。
ということです。
そもそも、グラフの読み取りを苦手にしている小中学生は非常に多いです。
苦手な人のために、グラフの読み取り方のいろはを教えたいところなんですが、
です。
だから、授業でよくわからなくてもあまり気にしないようにしましょう。(笑)
初歩的なことからできるだけわかりやすく書いていくつもりですが、文章量が膨大になることが予想されます。
そのため、”できるだけ短く”ということにも気を付けて書いていきます。
グラフの読み取り方の”いろは”については、近いうちに書こうと思いますので、そちらをお待ちください。
それでは、実際の問題を解きながら説明していきます。
では問題です。
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【例題1】下のグラフは、ある地点における2日間の気象観測の結果で、この期間にある前線が通過した。次の問いに答えなさい。
(1)グラフで、湿度を表しているのはA~Cのどれか。
(2)前線が通過したのはいつか。ア~エから選びなさい。
ア 1日目の9~12時
イ 1日目の21~24時
ウ 2日目の12~15時
エ 2日目の15~18時
(3)通過したのは、何前線か。
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さあ、レッツシンキングタイム!・・・といきたいところですが、苦手な人にとっては、本当に何から手を付けていいのかわからない問題なので、順番に説明していきますね。
おそらく「早く問題を解きたい」という人がいるでしょうが、ここは我慢してください。
まず、グラフが出た時に読み取らねばならない情報を整理していきます。
問題にグラフが出てきたら、必ず次の3点を確認します。
「なんだそんなの」と思った人もいるかもしれません。でも、ちゃんと確認していますか?
私の経験では、ここを「なんとなく確認」で終わらせている人が非常に多いです。
そして、大半の人がグラフが読み取れなくて点数を落としてしまっています。
非常にもったいないことです。
ということで、しっかり①~③を確認していきましょう。
まず①のタイトルですが、グラフのどこにも書いていません。私のミスではありませんからね。(笑)
タイトルはグラフの周辺にだけ書かれるとは限りません。この問題の場合、問題文の中に書かれています。
そうです、「2日間の気象観測の結果」がタイトルなのです。
タイトルを読み取れば、何が書いてあるのかがはっきりします。だから、ここがスタートなのです。
次に②の横軸を見ていきましょう。
何を表しているかわかりますか?
「え????」と思った人もいるでしょう。
「どこに書いてあるの?」と思った人もいるでしょう。
おそらく、横軸が何であるかを瞬時で分かった人は、学力が相当高い人だと思います。このグラフの横軸を読み取るのは非常に難しいからです。
答えは
です。
「1つの横軸なのに、3つも書くなんてひどい!」と思った人もいるでしょう。
そうです!天気のグラフの読み取りが難しいのは、このように1つの軸にたくさんの要素が詰め込まれているからなのです。
この後に説明する縦軸にも同じことがいえるので、また注意してくださいね。
では、1つずつ考えていきましょう。(たくさんのことが書かれているときには、1つずつほぐして考えていくことが有効です)
時間は「○日目」と「○時」に分けて書かれています。3時間ごとに書かれています。
その時間ごとの天気がすぐ上に書かれています。今のところは「ここに天気が書かれている」ことを覚えておけばOKです。
その天気の左側に「方位」が書かれています。これがあるから上が北だということがはっきりしますね。
続いて、縦軸の確認をしましょう。
縦軸も、横軸同様に3つの要素が書かれています。
です。
しかも、気温の目盛りは左側にありまだわかりやすい方ですが、湿度・気圧は右側にあり気づきにくいです。
このように、天気のグラフでは
縦軸・横軸ともに複数の情報が書かれている
ので、とってもわかりにくくなっているのです。
グラフの基本情報がわかったところで問題を解いていきたいのですが、ここで気温・湿度・気圧で最低限覚えて起きたいことをまとめます。
覚えて起きたいことは、次の6点です。
どうです?意外と覚えることは少ないですね。
少ないのですが、覚えることと活用することは違います。
この6点を組み合わせて活用していくことが、グラフの読み取りには必要なのです。
なお、寒冷前線・温暖前線付近の天気の変化を詳しく知りたい人は、こちらをご覧ください。
お待たせしました。これから問題を解いていきます。
まずは(1)「湿度を表しているのは、A~Cのどれか」という問題です。
ここで(2)で紹介した、覚えておきたいことを思い出しましょう。思い出してほしいのは、①と②です。
まずはグラフのAから見ていきます。1日目はくもり、2日目は雨です。
1日目はくもりなのですが、Aは9時から15時にかけて上がっていきます。15時からは下がっているので、気温であることがわかります。
Bはあまり変化していませんが、1日目の21時頃に若干上がっています。Aが下がっているので、逆になっています。また、雨が降った2日目にぐっと上がっています。
このことからBは湿度であることがわかります。
残ったCが気圧となり、これで3つの要素が全てわかりました。
答えは Bです。
続いて、(2)の問題「前線が通過したのはいつか」を解いていきます。
(2)で説明した覚えたいことの⑤と⑥が使えそうです。
気温が急に変化した時間を見ると、2日目の12時から15時に大きく下がっています。
だから、答えは「ウ 2日目の12時から15時」となるのですが、ここで注意が必要です。
だということです。
今回の問題はかなりわかりやすい例なのでいいのですが、そうでない場合もたくさんあります。
例えば、明け方くらいに寒冷前線が通過すると気温が下がるのですが、この時間帯は太陽が出て気温が上がる時間でもあります。
だから日によっては、気温がほとんど変わらない(ように見える)こともあるのです。
そこで、前線の通過を判断するのに注目してほしい要素があります。
それは
ことです。
前線が通過するとき、必ず風向が変化します。
みなさんも経験ないでしょうか?急に風向が変わったと思ったら雨が降ったことが。
これは典型的な前線の通過です。
グラフを見てみましょう。
2日目の12時が南西の風だったのに対し、15時には北東の風に変わっています。
つまり、
と考えることができます。
先ほどの気温の変化と合わせて、
答え ウ 2日目の12時から15時
となります。
もしも、気温の変化と風向の変化が一致しなかった場合は、風向の変化で選んだ方がよいでしょう。気温はその他の要素で変化することが多いからです。
最後に(3)「通過したのは、何前線か」の問題を解いていきます。
気温が急に下がっているので、(2)の⑤「寒冷前線が通過すると、気温が下がる」が当てはまります。
ということで、
答え 寒冷前線
となります。
以上で問題を全て解くことができました。
最初に述べましたが、グラフの問題は非常に難しいです。
おそらく、計算問題よりも難しいです。
特に、天気はグラフ問題の応用編なので、特に難しいです。
しかし、天気のグラフを読むときに覚えておくことはたった6つです。
その6つの知識をどのように組み合わせるのかがポイントになります。
グラフの問題を得意になる方法はただ一つ
紹介した問題以外にも、たくさんの問題を解いて、慣れてください。