目次
「GIGAスクール構想で、1人1台端末が実現したけど、使い方に困っている先生」
「今までの指導方法をあまり変えずに、GIGAスクール時代を乗り切りたい先生」
「家庭学習や授業で効果的にPCを使いたい中高生」
このような人の疑問に答えます。
結論は、
「実験を記録する」
ことです。これなら、誰にでもできます。
例えば、中学2年生の理科で学習する「鉄と硫黄の化合の実験」では、「加熱して赤くなったらガスバーナーを止めるけど、反応が続く」ことを映像や写真で残しておくと、テスト勉強などで役に立ちます。
さらに、教師の立場で考えると、「実験のときに画像を撮影させておいて、単元のまとめで使わせる」とポートフォリオ評価にも使えます。
でも、ここで大きな問題があります。
端末では顕微鏡の写真が撮れない
ということです。
大丈夫です。
これから説明する手順で何度か練習すれば、誰でも顕微鏡写真を撮ることができます。
本記事の内容です。
1 GIGAスクールで変わる!理科授業
2 顕微鏡の写真をクロームブックで撮影する方法
3 クロームブックで写真を撮影するときの注意点
こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
今日は、ちょっと趣(おもむき)を変えて、新しい時代のテクニックについて紹介します。
昨年度(令和2年度)から日本にあるすべての小学校・中学校・高校で1人1台端末が実現しました。
でも同時に、次のような悩みを持つ先生や生徒が多いのも事実です。
先生の視点で考えると
「授業で端末をどのように使えばよいかわからない」
「上(校長・教頭・教育委員会)から使えと言われるけど、やり方は何も教えてくれない」
などの悩みがあります。
生徒の視点で考えると
「端末を使って成績を上げたい」
「楽しく授業を受けたい」
という気持ちでしょう。
そこで提案したいのは
実験の様子を写真や画像で撮影し、まとめる
のです。
実験の手順や操作の意味を整理することで、内容の理解を深めることができます。
また、班で実験をするときなどは、手が空いている生徒に実験の写真を撮影させることもできます。
だから
実験の様子を写真や映像で撮影させましょう
と提案します。
でも、ここで大きな問題が出てきます。
それは
顕微鏡の写真が撮れない
ということです。
対物レンズと接眼レンズ、端末のカメラのレンズと3つのレンズを通るので、写真にとることが困難です。
試しにやってみてください。
「ちょうどよい」と思ってシャッターを押した途端、レンズがずれることが多いでしょう。
でも大丈夫です。
次の手順で、何回か練習すれば誰でも顕微鏡の写真を撮ることができます。
それでは、やり方です。
①顕微鏡の倍率・ピントを合わせる
②端末のレンズを近づけて、動画を撮影する
③動画を再生しながら、ちょうどよいところで一時停止する
④スクリーンショットで静止画を撮影する
⑤静止画を編集する
です。
実物と合わせて見ていきましょう。
当然と言えば当然ですが、顕微鏡でちゃんと見えていないと撮影はできません。
最初に顕微鏡で観察物を見ます。
そして、ここがポイントなのですが、
ピントを合わせたら、できるだけ暗くする
照明式の顕微鏡であれば、照明を暗くしてください。
反射鏡式の顕微鏡であれば、しぼりで暗くしてください。
目で見るよりもカメラの方が光を拾います。(言い換えると、無意識に目が光を調節しているということです)
だから、目で見るときには「かなり暗いな」と思うくらいの光の量の方がちょうどいいのです。
実際に撮影した様子を見てください。
それでは、次の写真を見てください。
細胞分裂の様子であることがそれなりにわかると思います。
もちろん、先ほどの映像から撮影したスクリーンショットです。
クロームブックのスクリーンショットの仕方は、こちらのサイトを参考にしてください。
https://www.google.com/intl/ja_jp/chromebook/howto/take-partial-screenshots/
Windowsのスクリーンショットの仕方は、こちらのサイトを参考にしてください。
https://dekiru.net/article/13701/
なお、先ほどとは違う動画でもう少し上手に撮影すると、次のようになります。
左側に染色体がはっきりと写っています。
これくらいハッキリ撮影できれば、十分ですよね?
なお、タマネギの根の細胞の観察や、細胞分裂については、こちらにも載っているので、良ければ見ていってください。
細胞分裂を観察する方法と、その過程~細胞分裂は、「染色体」の4つの動きで攻略する~
最後に、必要であれば画像を編集します。
拡大したり、見たい細胞を中央に配置したり…
編集の仕方については、ここでは触れません。
どのように編集したいかを考えてから、調べてみてください。
以上の手順で行えば、かなり高い確率で、端末を使った顕微鏡写真を撮影することができるでしょう。
最後に、クロームブックで写真を撮影するときの注意点をお伝えします。
それは、
撮影したデータは本体に保存されるので、まめにクラウドにアップロードして、データを少なくしておく
ことです。
私も詳しくはないのですが、クロームブックで写真や動画を撮影すると、クロームブック本体に保存されます。
クロームブックはクラウドで活動することを前提に作られているので、本体のスペックは余り高くありません。
だから、大量のデータを保存すると動作が遅くなります。
動作が遅くなるといろいろな不具合も出てくるので、できるだけクラウドにアップロードして、本体に保存するデータを減らしておきましょう。
クラウドにアップロードする方法は次の通りです。
①「ドライブ」を開く
②「新規」から「ファイルをアップロード」または「フォルダをアップロード」を選ぶ
③「カメラ」や「ダウンロード」などのファイルから、アップロードするファイル(フォルダ)を選択する
④アップロードしたデータを本体から消去する
快適にクロームブックを使うためには、マメに行うことがコツです。
顕微鏡写真を撮影する方法をマスターして、1人1台端末を有意義に活用しましょう。
メダカの卵の観察のススメ~理科室で観察できる!短時間で観察できる!生物の発生の観察の新定番~ | いやになるほど理科~高校入試に向け、”わからない”が”わかる”に変わるサイト2021年4月19日 10:21 PM /
[…] それでは、実際にメダカの発生を見てみましょう。 映像1 https://iyarika.site/wp-content/uploads/2021/04/R02.06.02_メダカの発生1.mp4 ちなみに、6月2日に撮影したものです。 上の方に赤い心臓が見えます。 人間もそうですが、メダカも心臓は早い段階でできます。 心臓が一生懸命動いてからだ全体に血液を循環させるのです。 なお、2年生で学習する血液の循環の観察にもメダカの卵の観察はおすすめです。 大人のメダカを観察すると、弱ってしまうことが多くあります。 卵なら弱ることが無いので、安心して観察することができます。 なお、血液の循環については、こちらでも説明しているので、ご覧ください。 https://studio.youtube.com/video/EHoIUfcD42w/edit 映像2 https://iyarika.site/wp-content/uploads/2021/04/R02.06.04_メダカの発生2.mp4 映像1の2日後に撮影した動画です。 よく見ると、透明なもやもやが動いている様子が観察できます。 血液です。 血液は顕微鏡で見ると透明に見えるのです。 映像3 https://iyarika.site/wp-content/uploads/2021/04/R02.06.05_メダカの発生3.mp4 映像2の翌日に撮影したのが映像3です。 途中で、クルリとメダカが動きます。 映像4 https://iyarika.site/wp-content/uploads/2021/04/R02.06.10_メダカの発生6.mp4 心臓がビクビク動いています。 また、38秒の時点で大きく動きます。 なお、観察したメダカの様子を撮影する方法はこちらの記事で紹介しているので、ご覧ください。 クロームブックで顕微鏡写真を撮影する方法~GIGAスクール時代の顕微鏡観… […]