目次
・定比例の法則の問題が解けない
・「まだ反応していない銅は何gか」の問題が解けない
という人の悩みを解決します。
こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
今回は、中学2年生理科 化学変化の単元の中から「定比例の法則」の問題の解き方を説明します。
定比例の法則とは、「銅と酸素は4:1で化合する」「マグネシウムと酸素は3:2になる」というものです。
この内容は定期テストや学力テスト、高校入試問題などで良く出されます。
苦手な人が多い問題ですが、
順序だてて1つずつ計算していけば、必ず答えにたどり着きます。
答えにたどり着くまでがんばりましょう。
なお、今日は定比例の法則の応用編となります。
定比例の法則の説明と基本的な問題はこちらをご覧ください。
定比例の法則~物質は決まった比で化合する 難しそうでワンパターン問題の典型~
また、銅の酸化の様子と、質量の変化を調べる実験は、こちらをご覧ください。
https://rika-net.com/outline.php?id=00002057004g&top=1
問題1 空気中でマグネシウムを加熱して、反応前後の質量を測定した。0.3g、0.6g、0.9g、1.2gのマグネシウムを加熱し、その加熱前後の全体の質量を表にまとめた。ステンレス皿は加熱しても質量は変化しなかったものとして、問に答えなさい。
マグネシウム 0.3 0.6 0.9 1.2
加熱前 33.3 32.7 33.6 33.4
加熱後 33.5 33.1 34.0 34.2
(1) マグネシウム0.3gと結びついた酸素の質量は何gですか。
(2) 表の結果から、まだマグネシウムの粉末が完全には反応していないと考えられるのは何gの時ですか。
(3) マグネシウムと酸素が化合するとき、マグネシウムの質量と酸素と化合してできた酸化マグネシウムの質量の比はいくらになりますか。最も簡単な整数の比で求めなさい。
(4) 質量の分からないマグネシウムを加熱したところ、完全に酸化できた酸化マグネシウムの質量は2.5gだった。もともとあったマグネシウムの質量は何gか。
それでは、自分で考えてみてください。
力をつけるために、自分で考えてから解答と解説を見るようにしましょう。
その際、正解したかどうかは問題ではありません。
間違っていたら、どこでどのように間違えたのかをはっきりさせるのが大切なのです。
【解答】
(1) 0.2g
(2) 0.9g
(3) マグネシウム:酸化マグネシウム=3:5
(4) 1.5g
【解説】
(1) マグネシウムが0.3gのとき、加熱によって増えた質量は加熱前後の質量を比べればよい。
33.3(g)ー33.5(g)=0.2(g)
(2) それぞれの質量で、質量の増加を調べると、
0.3g → 0.2g
0.6g → 0.4g
0.9g → 0.4g
1.2g → 0.8g
となる。
マグネシウム0.9gには酸素が0.6g結びつくはずなので、0.9gのときに十分に酸化していないことがわかる。
(3) マグネシウム0.3gのときに、0.2gの酸素が結び付いているので、酸化マグネシウムは0.5g(0.3g+0.2g)となる
0.3:0.5=3:5
(4) 完全に反応していることがポイントである。
酸化マグネシウムが2.5gなので、
3:5=X:2.5
5X=3×2.5
5X=7.5
X=1.5(g)
となる。
問題2 銅粉をよく加熱して酸化銅にする実験を、銅粉の質量を変えて行った。表は十分に加熱をしたときの結果である。
銅(g) 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0
酸化銅(g) 2.5 5.0 ( A ) 10.0 12.5
(1)上の表の( A )に入る数値はいくらか。
(2)銅の質量と、化合した酸素の質量は何:何か。
(3)銅12.0gを加熱したところ、加熱が不十分だったため加熱後は14.0gになった。このとき、反応しないで残っている銅は何gか。
ちょっと難しい問題ですが、まずは自力でやってみましょう。
【解答】
(1) 7.5(g)
(2) 銅:酸素=4:1
(3) 4.0g
【解説】
(1) 酸化銅の質量が2.5→5.0→( A )→10.0→12.0と2.5gずつ増えているので7.5gと考えられる。
(別解)
銅と酸化銅の質量の比は4:5なので
4:5=6.0:X
4X=5×6.0
4X=30
X=7.5
となる。
(2) 酸素の質量は「酸化銅の質量ー銅の質量」で求められる。
銅が2.0gのとき、
2.5-2.0=0.5
なので
銅:酸素=2.0:0.5
となり
銅:酸素=4:1
となる。
(3)この状況をモデルで表すと、写真のようになる。
この状況から酸化銅を取り除くと、反応しなかった銅の質量を求めることができる。
つまり、反応しなかった銅の質量を求めるためには、
反応した銅の質量
を求める必要がある。
さらに、反応した銅の質量を求めるには、
銅に結び付いた酸素の質量
を求める必要がある。
まとめると、次のような手順で計算を行っていけばよい。
①結びついた酸素の質量を求める
②酸素と反応した銅の質量を求める
③最初の銅の質量から、酸素と反応した銅の質量を引く
という手順で問題を解けばよい。
①結びついた酸素の質量を求める
反応前の銅が12.0g、反応後の物質が14.0gなので、結びついた酸素の質量は
14.0(g)ー12.0(g)=2.0(g)
となる。
②酸素と反応した銅の質量を求める
銅と酸素が結びつく割合は4:1なので
4:1=X:2.0
となり、
X=8.0
つまり、8.0gの銅が酸素と結びついたことになる。
③最初の銅の質量から、酸素と反応した銅の質量を引く
最初に銅は12.0gあり、8.0gの銅が酸素と反応したので、
12.0(g)ー8.0(g)=4.0(g)
4.0gの銅が反応せずに残っていることになる。
このような「反応していない銅は何gか」という問題はけっこう出ます。
苦手な中学生が多いのですが、実は、解き方はワンパターンです。
この解き方を覚えておけば、確実に得点することができます。
難しい問題はワンパターン
の典型的な例です。
解けるようになるまで、繰り返して勉強しましょう。
化学変化の単元のまとめ~「実験が多くてわからない」という人必見!見たい説明に一気に飛べるページ~ | いやになるほど理科2021年1月19日 11:22 PM /
[…] […]