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応用問題から学ぶ”身のまわりの物質”②~「物質」の問題をマスターしよう~

 「テストが迫ってきた。どうしよう?」
 「中間テストの勉強、どうやったらいいの?」
 「入試が近づいてきたのに、化学分野に全く手を出せていない・・・」
と悩んでいないでしょうか?
 中学校の理科では全国的に、生物(植物や動物)の単元から学習し始めるところも多いのですが、私の住む北海道では最初に”化学分野”の単元を勉強することがほとんどです。なぜなら、北海道の4月は、あまり植物が咲いていないからです。
 中学生にとって化学分野は難しいと感じる単元です。
 「有機物と無機物の違いが分からない」
 「プラスチックはどうして有機物なの?」
  「先生の説明はなんとなくわかるけど、テストの問題が解けない」
などとなやんでいる中学生は非常に多いです。

 そこで今回は、「化学分野の応用問題を数多くとくことで、化学分野を得意になろう!」と化学分野でよく出題される問題を実際に解いていきます。
 
 実は、この分野の問題は、「どこかで見たことがあるぞ」「また同じ問題が出た」というように、ワンパターンであることが多いのです。。

 この記事を読み終えたとき、「化学分野はバッチリ」と自信が持てるようになるでしょう。
 また、どのような問題が出されるのかを知ってからワークなどを解くことにより「ここが大切!」ということがわかるようになります。効率よく学習することができるのです。

 それでは前回に引き続き、私が考えた実践問題をもとに老揚力を養っていきましょう。

本記事の特徴
・応用問題(実力テストや高校入試に近い問題)を解くことで、実践力を身に付けることができる
・徐々に難しい問題が解けるようになることで、自信がついていく

  それでは、詳しい説明です。

1 前回と同じくらいのレベルの問題を解こう(レベル1の続き)

問題1 3種類の白い粉末A,B,Cは砂糖、食塩、かたくり粉のいずれかを用いて、次の①~③を行った。表はその結果をまとめたものである。次の問いに答えなさい。


<実験>
①ビーカーに水100gt5gの白い粉末を入れ、解けるかどうかを調べた。
②図1のように、白い粉末を乗せた燃焼さじをガスバーナーの上で加熱し、燃えるかどうかを調べた。
③②で火がついたとき、図2のようにして石灰水が入った集気びんの中で燃やし、火が消えてから集気びんにふたをしてふり、石灰水の変化を調べた。
(1)表のX,Yに当てはまる言葉を、ア~エからそれぞれ選びなさい。
ア すべてとけた   イ とけずに白くにごった
ウ 石灰水に変化はなかった   エ 石灰水が白くにごった
(2)②で粉末Bと粉末Cはこげたことから、何という物質が含まれていることがわかりますか。
(3)(2)の物質を含んでいるものを何といいますか。
(4)③で粉末Bの場合、石灰水が白くにごったことから、粉末Bが燃えたときに何という気体が発生したことがわかりますか。
(5)粉末A,B,Cは、それぞれ砂糖・食塩・かたくり粉のどれですか。

 それでは解いてみてください。
 何回も書きますが、問題を見たときには必ず自分で解くことです。
 できれば紙に書いて後で振り替えられるようにしておきましょう。
 その方が何倍も力が付きます。

 それでは解答と解説です。
【解答】
(1)X:ア  Y:エ
(2)炭素
(3)有機物
(4)二酸化炭素
(5)A:食塩  B:砂糖  C:かたくり粉
【解説】
(1)砂糖・食塩・かたくり粉で水に溶けないのはかたくり粉だけです。Cの①に「とけずに白くにごった」と書かれているので、Xには「すべてとけた」が入ります。
(2)加熱した時に焦げるのは「炭素」という物質が入っているからです。
(3)炭素を含む物質を「有機物」といいます。
(4)石灰水を白くにごらせる気体は「二酸化炭素」です。
   このことは中学校3年間の理科の中で、何回も出てくることなので必ず覚えましょう。
(5)Aは「水にすべてとけた」のに「加熱しても燃えなかった」ので食塩であることがわかります。
Bは「水にすべてとけた((1)の答えより)」のと「加熱すると燃えた」「石灰水が白くにごった」ことから砂糖であることがわかります。
Cは「水にとけずに白くにごった」ことと「加熱すると燃えてこげた」ことからかたくり粉であることがわかります。

いかがでしたか?
(5)の問題が少し難しかったかもしれません。
しかし、落ち着いて一つずつ条件を考えていくと必ず答えにたどり着く問題です。
このような問題はよく出てくるので、必ずとけるようになりましょう。

 それでは次の問題です。
問題2 砂糖・食塩・かたくり粉を見分けるために、図のように、燃焼さじにそれぞれの粉末を乗せてガスバーナーで加熱したところ、砂糖とかたくり粉は燃えたが、食塩は燃えなかった。また、砂糖とかたくり粉に火をつけた後、集気びんに入れると、集気びんの内側が白くくもった。次の問いに答えなさい。

(1)集気びんの内側がくもったのは、何という物質ができたからですか。
(2)火のついた砂糖とかたくり粉を集気びんの中に入れ、火が消えるまで燃やしました。その後、石灰水と混ぜ合わせると、石灰水はどうなりますか。
(3)(2)の石灰水の反応から、砂糖やかたくり粉には何という物質が含まれていますか。
(4)食塩のように、(3)を含まない物質を何といいますか。
(5)3種類の粉末を見分けるとき、加熱する以外にどのような方法がありますか。1つ書きましょう。

 それではシンキングタイムです。
 
 解答と解説です。
【解答】
(1)水
(2)白くにごる
(3)炭素
(4)無機物
(5)水にとかす
【解説】
(1)有機物を燃やすと、二酸化炭素のほかに水ができます。二酸化炭素は目に見えませんが、水は冷えて液体になると便の壁に水滴となって現れます。この水滴が小さいと白く見えます。
(2)二酸化炭素が発生しているので、石灰水は「白くにごり」ます。
(3)二酸化炭素が発生するのは、有機物に炭素が含まれているからです。
(4)有機物以外の物質を「無機物」といいます。
(5)白い粉末を見分けるには、加熱するほかに「水にとかす」方法があります。

 いかがでしたか?
 「こんな問題簡単だぜ!」と思ったでしょうか?「難しくてわからないよ」と思ったでしょうか?
 でも、次の問題をやってみると、少し変化に気付く人が多くなると思います。

2 少しずつレベルアップしていこう(レベル2)

問題3 3種類の白い粉末A~Cを見分けるために、次の①~③の実験を行った。表はその結果をまとめたものである。次の問いに答えなさい。ただし、白い粉末A~Cは砂糖、食塩、かたくり粉のいずれかである。


<実験>
①図1のように、燃焼さじに白い粉末を少量のせてガスバーナーの炎の中に入れて、燃えるかどうかを調べた。
②①で火がついた粉末を、図2のようにして少量の石灰水が入った集気びんの中に入れて燃やした。火が消えた後、集気びんをふって石灰水の変化を観察した。
③図3のように、3種類の白い粉末1gを、それぞれ水が5mL入った試験管に入れて良く振り混ぜ、解けるかどうかを調べた。
(1)②の結果から、白い粉末AとCが燃えたとき、何という気体が発生したといえますか。
(2)①、②の結果から、白い粉末AとCには、何という物質が含まれていたことがわかりますか。
(3)②のとき、集気びんの内側にある変化が見られた。どのような変化ですか。
(4)砂糖と食塩はA~Cのどれですか。

 「あれ??見たことある問題だぞ!」と思った人がいると思います。
 そうです
理科は定番の問題が多い教科
なのです。
 だから、いろいろな問題を解いて、出題されるパターンに慣れてしまうのが成績アップの近道なのです。
 それでは問題を解いてみてください。

 解答と解説です。
【解答】
(1)二酸化炭素
(2)炭素
(3)(水滴がついて)白くくもった
(4)砂糖:C、食塩:B
【解説】
(1)有機物を加熱すると二酸化炭素が発生します。
(2)有機物を燃やしたときに二酸化炭素が発生するのは、有機物の中に「炭素」が含まれているからです。
(3)有機物を燃やすと二酸化炭素のほかに、「水」が発生します。
(4)砂糖は「水にとける」「燃える」のでC、食塩は「水にとける」「燃えない」のでBであることがわかります。

 それでは、最後の問題です。
問題4 3種類の白い粉末A~Cを見分けるために、次の①②の実験を行った。次の問いに答えなさい。ただし、A~Cは食塩・砂糖・かたくり粉のいずれかである。

<実験>
①A~Cを燃焼さじにのせてガスバーナーで加熱した。そうするとAとCは燃えて黒くなったが、Bは変化しなかった。また、AとCを「ある液体」が入った集気びんの中で燃やしたところ、集気びんを振ると「ある液体」が白くにごった。
②少量のA~Cを十分な量の水の中に入れてよく振ったところ、Cだけがとけなかった。
(1)①で使った「ある液体」とは何ですか。
(2)①の結果から、AやCには何が含まれていると考えられますか。
(3)AやCのことを何といいますか。
(4)①、②の結果から、A~Cはそれぞれ何であると考えられますか。

それではシンキングタイムです。どうぞ!

 解答と解説を紹介します。
【解答】
(1)石灰水
(2)炭素
(3)有機物
(4)A:砂糖、B:食塩 C:かたくり粉
【解説】
(1)有機物を燃焼させた後に何ができているかを調べるためには、「石灰水」を使います。
(2)①から二酸化炭素が発生したことがわかるので、AやCには「炭素」が含まれていることがわかります。
(3)炭素を含む物質を「有機物」といいます。
(4)Aは「燃えて二酸化炭素を出した」「水にすべてとけた」ので、「砂糖」であることがわかります。また、Bは「燃えなかった」「水にすべてとけた」ので、「食塩」であることがわかります。Cは「燃えて二酸化炭素を出した」「水にとけなかった」ので「かたくり粉」であることがわかります。

 おそらく、問題4が一番難しく感じたのではないでしょうか?
 ただし同時に「また砂糖・食塩・かたくり粉問題?」と思った人も多いはず。
 そうです、この「砂糖・食塩・かたくり粉問題」はテストで出題される可能性が極めて多い問題なのです。
 しかし、考え方がわかっていれば、いつも「同じような方法」で解くことができます。
 だから、このブログなどを利用して、「同じような問題」になれてしまいましょう。

 それでは、さようなら。

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