• ”いやになる”ほど理科を勉強して、いやに”なるほど”理科が納得できるサイトです

応用問題から学ぶ”身のまわりの物質”③~「密度」の問題をマスターしよう~

 「テストが迫ってきた。どうしよう?」
 「密度を求めよ?計算がでてきたらまったくわからない」
 「密度なんて見るのもいや!」
と悩んでいないでしょうか?
 中学生にとって密度の計算は難しいと感じる問題です。
 「公式は覚えたけど、使い方がわからない」
 「計算式は書けたけど、計算ができない。」
 「小数点の位置を間違えた」
などとなやんでいる中学生は非常に多いです。

 そこで今回は、「密度の応用問題を数多くとくことで、密度を得意になろう!」とよく出題される問題を実際に解いていきます。

 実は、この密度の問題は、「また同じ問題が出た」「また同じ数字だった」「また同じ物質だった。」というように、ワンパターンであることが多いのです。。

 この記事を読み終えたとき、「密度の計算はバッチリ」と自信が持てるようになるでしょう。
 また、どのような問題が出されるのかを知ってからワークなどを解くことにより「ここが大切!」ということがわかるようになります。効率よく学習することができるのです。

 それでは前回に引き続き、私が考えた実践問題をもとに応用力を養っていきましょう。

本記事の特徴
・応用問題(実力テストや高校入試に近い問題)を解くことで、実践力を身に付けることができる
・徐々に難しい問題が解けるようになることで、自信がついていく

 それでは、詳しい説明です。

1 まずは、基本的な問題を解こう!

問題1 次のA~Cは、鉄・銅・アルミニウムのいずれかである。A、Bは1辺が3cmの立方体であり、表は、鉄・銅・アルミニウムの密度を表している。次の問いに答えなさい。



(1)AとBの体積はどちらも同じである。AとBの体積は何cm3か?(上付きの3が書けないので、青で書いています。)
(2)Aの質量は240gであった。Aの密度は何g/cm3か。小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで求めなさい。
(3)(2)の結果から、Aは何でできているか。
(4)Bは磁石にひきつけられた。この性質と表から、Bの質量を求めなさい。
(5)Cの体積を測るため、図1のように40cm3の水が入ったメスシリンダーにCを入れた。その後水面の位置を測定すると図2のようになった。Cの体積は、何cm3か。

 それでは、考えてみましょう。
 密度アレルギーの人も、少しは解いてみましょうね。
 でも、「どうしてもいや!」と言ってこのページを閉じてしまうのであれば、すぐに下の答えを見ましょう。
 やらないよりはやった方がいいのですが、「ここで終わり」にしてしまうのが最悪です。
 だから、
答えを見る前に解いた方がいいけれど、難しい人はまず答えを見ましょう。
 そして、アレルギーがなくなったら自分で解いてみましょう。
と私は言います。
 それでは解答と解説です。
【解答】
(1)27cm3
(2)8.9g/cm3
(3)銅
(4)213.3g
(5)25.5cm3(25.4cm3、25.6cm3も正解)
【解説】
(1)立方体の体積は、
1辺×1辺×1辺
で求められます。
ここでは1辺が3cmと書いてあるので、
3×3×3=27cm3
となります。
(2)Aの質量は240gと問題に書いてあるので、
240÷27=8.888・・・・
となります。
小数第2位を四捨五入して答えは8.9gとなります。
(3)(2)で求めた密度と表を見比べてみると、「銅」であることがわかります。
(4)磁石につくという性質から、この物質は「鉄」であることがわかります。
表を見ると、「鉄の密度は7.9g/cm3」であることがわかります。
これは
鉄は1cm3で7.9gである
ということなので、体積が27cm3のBの質量は7.9gの27倍ということになります。
つまり
7.9×27=213.3g
となります。
(5)メスシリンダーの目盛りは、65.5cm3を示しています。
ここで注意すべきことは
メスシリンダーの目盛りは10分の1まで読み取る
水面が最も低いところを読み取る
ことです。
最初に40.0cm3入っていたので、
65.5-40.0=25.5cm3となります。
(目分量なので多少の違いは出てきます。私なら25.4~25.6cm3は正解にします。)

 いかがでしたか?
 「とても難しかった」と思ったでしょうか?
 そういう人も多いかと思います。
 でも、次の問題をやってみてください
 冒頭で私が行ったことが実感できると思います。
問題2 アルミニウムの質量を測定すると、21.6gだった。表1はいろいろな物質の密度である。次の問いに答えなさい。

(1)アルミニウムの密度から、質量を測定したアルミニウムの体積を求めなさい。
(2)表1から、水に浮くものを1つ選びなさい。

 「あれ?」と思いませんでしたか?
 「さっきやったじゃん」と思いませんでしたか?
 この問題2も応用問題です。
 でも、先ほどよりも難しいと感じないはずです。
 なぜならば、
理科は同じような問題が何度も出されることが多い
からです。
 1つのやり方を覚えておけば、他の問題が解けることが多いのです。

 ではやってみてください。

【解答】
(1)8cm3
(2)ポリプロピレン
【解説】
(1)
アルミニウムの密度は2.7g/cm3です。
これは
アルミニウム1cm3の質量が2.7g
ということを意味しています。
今、アルミニウムの質量は21.6gなので、2.7gで割ると体積を求めることができます。
21.6÷2.7=8cm3
(2)
水の密度は1g/cm3です。
この1g/cm3よりも密度が大きな物質は水に沈み、密度が小さい物質は水浮きます。
表を見るとポリプロピレンだけが1g/cm3よりも小さいので、ポリプロピレンだけが水に浮くことがわかります。

 どうですか?
 それではもう少し問題を解いていきましょう。
問題3 鉄・銅・アルミニウムの3種類の金属A~Cを用意した。A~Cはいずれも1辺が2cmの立方体である。表は、水と3種類の金属の密度を表している。次の問いに答えなさい。。


(1)金属Aの質量を測ると21.6gだった。金属Aの密度は何g/cm3か。
(2)金属Bの表面は赤茶色をしていた。このことから、金属Bは何であると考えられるか。
(3)金属Bの質量は何gか。
(4)水に金属Cを入れると金属Cはしずんだ。その理由を「密度」という言葉を用いて説明しなさい。
(5)同じ質量の鉄、銅、アルミニウムを用意したとき、体積が大きい順に並べなさい。

 「けっこう簡単じゃない?」「やれそうじゃない?」と思えてきたでしょうか?
 そう思えれば、大きな前進をしたことになります。

 それでは解答と解説です。
【解答】
(1)2.7g/cm3
(2)銅
(3)71.2g
(4)金属Cは水よりも密度が大きいから。
(5)アルミニウム>鉄>銅
【解説】
(1)金属Aは質量21.6g、体積が8cm3(2cm×2cm×2cm)なので
21.6÷8=2.7g/cm3
となります。ちなみに、問題では聞かれていませんが、金属Aはアルミニウムです。
(2)「赤茶色」という性質から「銅」であることがわかります。
このように銅は、見た目である程度判断することができます。
(3)銅の密度は8.9g/cm3です。
これは「銅は1cm3で8.9gの質量である」ということです。
今、銅の体積は8cm3なので
8.9×8=71.2g
となります。
(4)水よりも密度が大きい物質は沈み、密度が小さい物質は浮きます。
(5)「質量が同じ」であれば、密度が小さいものの方が体積が大きくなります。
だから、アルミニウムが最も体積が大きく、銅の体積が最も小さくなります。

どうでしたか?
今日は3問行いましたが、基本的なことはほぼ網羅できたと思います。
後は繰り返して解いて問題になれることです。
がんばりましょう。
それではさようなら。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。