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応用問題から学ぶ”身のまわりの物質”④~「水溶液」の問題をマスターしよう~

 「テストが迫ってきた。どうしよう?」
 「質量パーセント濃度を求めよ?計算がでてきたらまったくわからない」
 「水溶液なんて見るのもいや!」
と悩んでいないでしょうか?
 中学生にとって溶解の内容を理解することは難しいものです。
 「公式は覚えたけど、使い方がわからない」
 「水溶液の質量ってどうやって求めるの?」
 「紛らわしい言葉が多すぎる」

などとなやんでいる中学生は非常に多いです。

 そこで今回は、「水溶液の応用問題を数多くとくことで、水溶液を得意になろう!」とよく出題される問題を実際に解いていきます。
 
 実は、この水溶液の問題は、「また同じ問題が出た」「また同じ数字だった」「また同じ答えだった。」というように、ワンパターンであることが多いのです。。

 この記事を読み終えたとき、「水溶液の問題はバッチリ」と自信が持てるようになるでしょう。
 また、どのような問題が出されるのかを知ってからワークなどを解くことにより「ここが大切!」ということがわかるようになります。効率よく学習することができるのです。

 それでは前回に引き続き、私が考えた実践問題をもとに応用力を養っていきましょう。

本記事の特徴
・応用問題(実力テストや高校入試に近い問題)を解くことで、実践力を身に付けることができる
・徐々に難しい問題が解けるようになることで、自信がついていく

それでは、詳しい説明です。

1 まずは、基本的な問題を解こう!(レベル1)

問題1 右の図のように、60℃の水100gにコーヒーシュガー(砂糖)20gを入れてとかし、砂糖水をつくった。次の問いに答えなさい。

(1)コーヒーシュガーのように、とけている物質を何といいますか。
(2)コーヒーシュガーをとかしている液体を何といいますか。
(3)コーヒーシュガーがすべてとけて、水の色がすべて茶色くなった。この時、コーヒーシュガーがビーカーの中で水にとけているようすをモデルで描きなさい。ただし、水の粒子は描かずに、コーヒーシュガーの粒子を●とし、8個の●で描くこととする。

(4)この時の砂糖水の質量パーセント濃度は何%ですか。小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めなさい。
(5)コーヒーシュガーをさらにとかしていくと、とける量には限界があった。物質が液体に限度までとけている状態を何というか。
(6)(5)の状態の水溶液を何というか。

 いかがでしょうか?
 「とても難しい」と思うでしょうか?そうかもしれませんね。
 「計算ができない」と思うでしょうか?そのような人も多いと思います。

 しかし、今回の記事を読み終えた時には
なんだ、ワンパターンな問題ばかりだ
と思えるようになるでしょう。
 そのために、何問かおつきあいください。
 それでは解答と解説です。
【解答】
(1)溶質
(2)溶媒
(3)

(4)16.7%
(5)飽和
(6)飽和水溶液
【解説】
(1)(2)液体にとけている物質を「溶質(ようしつ)」、とかしている液体を「溶媒(ようばい)」といいます。また、溶解によってできた液体を「溶液」といい、溶媒が水である溶液を「水溶液」といいます。
どれも「溶」という字が使われているので紛らわしいですが、しっかり覚えましょう。
(3)水にとけた溶質は、目に見えなくなりますが、その場にあります。目に見えなくなるのは、小さくなるからです。だから、コーヒーシュガーの粒子は8このままです。また、均一な茶色になっているので、粒子は均一に散らばっているのです。
(4)この場合、「溶媒が水」「溶質が砂糖」なので、公式に当てはめると次のようになります。
20✖️100    2000
ーーーーーーー = ーーーーー = 2000➗120 = 16.6666・・・・=16.7
100+20     120
(5)(6)溶質が水に限度まで溶けている状態を「飽和」といい、飽和した水溶液を「飽和水溶液」といいます。

 「ちょっと難しかったですか?」でも、この問題には、水溶液の問題で聞かれるほとんどの要素が含まれているのです。
 だから、この問題をもとにどんどん問題を解いていくことで実践力を高めることができます。
 それでは、次の問題を解いてみましょう。

問題2 下の図のように、砂糖60gを水140gにとかして砂糖水をつくった。次の問いに答えなさい。

(1)次の文の①〜③に当てはまる言葉を書きなさい。
     砂糖のように水にとけている物質を( ① )、水のようにとかしている液体を( ② )という。
     また、( ① )が( ② )にとけた液を( ③ )という。
(2)砂糖水の質量パーセント濃度は何%ですか。
(3) この砂糖水の質量パーセント濃度を1/21(二分の一)にするには、何gの水を加えればよいか。

 いかがですか?
 少しでも「さっきの問題よりも簡単に感じる」と思うことができれば成長している証拠です。

 さっそく回答と解説を読みましょう!!・・・といく前に、
必ず自分で問題を解きましょう。

 できれば、ノートや何かの紙に書いておくほうが良いです。
 自分で考えてから、答えや解説を読むことで力がつきます。

 しかし、わからなくてどうしようもない時は、すぐに答えを見るようにしましょう。
 「兵は神速を尊ぶ」です。
 それでは解答と解説です。
【解答】
(1)① 溶質   ② 溶媒   ③ 溶液
(2)30%
(3)200g
【解説】
(1)液体にとけている物質を「溶質」、溶質をとかしている液体を「溶媒」、溶解によりできた液体を「溶液」といいます。なお、溶媒が水である溶液を「水溶液」といいます。
(2)この場合、「溶質が砂糖」「溶媒が水」なので
60✖️100    6000
ーーーーーーー = ーーーーー = 6000➗200 =30 
140+60     200
よって30%となります。
(3)水溶液の質量パーセント濃度を1/2(二分の一)にするには、溶液の質量を倍にする必要があります。
(2)の計算で、分母が200gになっているので、200gの水を加えると質量パーセント濃度が半分になります。

 いかがですか?
 少しは自信がついて来たでしょうか?
 それでは次の問題です。

問題3 100gの水が入ったビーカーに10gの食塩を入れ、かき混ぜて完全にとかした。このビーカーを3日間静置した。下の図は、食塩が水に完全にとけた時の様子をモデルで表した物である。次の問いに答えなさい。

(1)食塩水の食塩のように、水にとけている物質を何といいますか。
(2)100gの水に10gの食塩を溶かした時の食塩水の質量パーセント濃度は何%か。ただし、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで答えなさい。
(3)3日間静置した後の、水溶液の様子を表すモデルとして最も適当なものはどれか。ア~エから1つ選びなさい。

(4)塩酸の溶質は何か。

 「いい加減、ワンパターン問題はやめてくれよ」という嘆きに似た声が聞こえて来そうですが、そのこと自体が成長の証ですよね?
 それでは、レベル1問題の総仕上げとして、問題3を解いてみましょう。
 解答と解説です。
【解答】
(1)溶質
(2) 9,1%
(3)ア
(4)塩化水素
【解説】
(1)液体にとけている物質を「溶質」といいます。
(2)この場合「溶質が食塩」「溶媒が水」なので
10✖️100     1000
ーーーーーーー = ーーーーーーー = 1000➗110 = 9.090909・・・= 9.1
100+10      110
(3)一度水にとけた溶質の粒子は、均一になるように水に存在しています。
(4)塩酸は「塩化水素の水溶液」の通称です。これは覚えておきましょう。3年生になってからも出題されます。

 最後の「塩化水素」は覚えていなければとけない問題です。
 できなくても仕方ないと思います。
 しかし、(1)〜(3)はとけたでしょうか?
 このように、ワンパターンな問題がよく出題されるのが、理科なのです。

 今回はレベル1の問題を扱いました。
 次回は「レベル2」の問題を紹介していきます。

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