• ”いやになる”ほど理科を勉強して、いやに”なるほど”理科が納得できるサイトです

遺伝の法則②~色々な生物や形質でメンデルの法則を応用してみよう~

アンケートモニター登録“>
 「メンデルの遺伝の法則って何?」
 「子や孫に現れる形質はどうやってわかるの?」
 「ヒトの血液型がどうやってきまるのか知りたい」

という疑問を持つ中学生の疑問を解決します。
 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上の理科教育のスペシャリスト!その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらうためにこの記事を書いています。
 本記事の内容
①エンドウの丈が高くなるのか、低くなるのかがわかる
②他か受粉したときの、エンドウの丈の高さが予想できる
③ヒトのまぶたが二重になるか、一重になるかの確率が予想できる
④ヒトの血液型が、どのように遺伝されるのかがわかる

 それでは、詳しい説明を書いていきます。

1 エンドウの丈の高さで、メンデルの法則を使ってみる

 最初に、メンデルが実験したエンドウの形質の1つを例にして、考えてみましょう。
 遺伝の法則の基本については、前回の記事で詳しく説明しているので、説明がわからない場合は、こちらをご覧ください。
遺伝の法則~メンデルの実験と遺伝の法則・いろいろな生物に共通する生物学の3大発見の1つ~
 エンドウの丈の高い方が顕性形質、低い方が潜性形質です。
 そこで、記号を
A:高い
a:低い

として考えていきましょう。
 まず、代々背が高い純系の親を「AA」、代々背が低い純系の親を「aa」とします。
 この2つの親を他家受粉させてできる子の遺伝子型は全て「Aa」となります。

 次に、「Aa」という遺伝子を持っている子を自家受粉させます。
 すると、図のように「AA」「Aa(aA)」「aa」という3種類の遺伝子型になります。

 「AA」は丈が高い
 「Aa(aA)」は丈が高い
 「aa」は丈が低い

ので、孫の代の形質は、
高い:低い=3:1
となります。

2 【応用編】エンドウの丈の高さで、メンデルの法則を使ってみる

 それでは、「Aa」という遺伝子型を持っている丈の高いエンドウと、
「aa」という遺伝子型を持っている丈の低いエンドウを他家受粉させる
と、できる子の形質はどうなるでしょうか?
 これまでと同じように、図を書いて考えてみます。

 見てのとおり、遺伝子の方は「Aa」と「aa」の2通りとなります。
 「Aa」は丈が高い、
 「aa」は丈が低いので
 高い:低い=1:1(もっとも簡単な整数の比で表す)

となります。
 この組み合わせは、どちらかというと応用編になります。1でやったような自家受粉の話と間違えないように気を付けましょう。

3 ヒトの一重(ひとえ)まぶたと二重(ふたえ)まぶたで、メンデルの法則を使ってみる

 ヒトにも対立形質があります。
 わかりやすいところで、一重(ひとえ)まぶたと、二重(ふたえ)まぶたの例を紹介します。
 念のため、一重まぶたとは

PexelsによるPixabayからの画像
で、
二重まぶたとは

Anemone123によるPixabayからの画像
です。
よく「二重まぶたの方がいい」という人がいます。中には、整形手術までしてしまう人がいるほどです。
 まぶたは
二重まぶたが顕性形質
一重まぶたが潜性形質

です。
 二重になる遺伝子をA、一重になる遺伝子をaとして考えます。
 例として「Aa」という遺伝子を持つ親同士が結婚してできる子が二重まぶたになる確立を考えてみましょう。
 図に書くとこのようになります。

 結果として、二重:一重=3:1になりました。
 つまり、4人子供ができたとしたら、3人は二重まぶたになる可能性が高いので、75%の確率(3÷4×100=75%)で二重まぶたの子どもが生まれることになります。
 なお、あくまで確率なので、4人のうち必ず3人が二重まぶたになるというわけではありませんので注意してください。

4 【応用編】ヒトの血液型で、メンデルの法則を使ってみる

 最後に、応用編としてヒトの血液型(ABO型)の遺伝について考えてみましょう。
 まぶた同様、血液型も気になる人が多いですね。
血液型が、どうして応用編になるのかというと
顕性形質が2つある
からです。
 顕性形質は「A」と「B]です。
 潜性形質は「O]です。

 「顕性形質が2つ重なったらどうなるの?」
と思う人がいるかもしれません。
 が、答えは簡単で
「AB型になる」
のです。
 まとめると
遺伝子の型が「AB」→AB型
遺伝子の型が「AA」または「AO」→A型
遺伝子の型が「BB」または「BO」→B型
遺伝子の型が「OO」→O型

になります。
 これだけ頭に入れておけば、血液の遺伝についてもこれまでと同じように考えることができます。
 例として、「AO」という遺伝子を持つ親と、「BO」という遺伝子を持つ親から生まれる子供の血液型がどのようになるのか、考えてみましょう。
 図に書くとこうなります。

 なんと!A型、B型、O型、AB型になる可能性があります。しかもその確率も同じです。
 「兄弟で血液型が違う」
っていうことにもなりやすい組み合わせですね。
 他にもいろいろな血液型の組み合わせが考えられるので、いろいろとやってみてください。
 よく、自分の両親の血液型から自分が生まれるかどうかを確かめる人がいます。
「自分の血液型がない!」
とショックを受ける人が必ず出てくるのですが、たいがいは間違えです。
 おそらくその人は、「AA」や「BB」という遺伝子でやっているので、「AO」や「BO」にしてやり直してみると自分が生まれてくるはずです。
 今回は、メンデルが発見した「顕性の法則」と「分離の法則」を使って、いろいろな生物の遺伝の伝わり方について学習しました。
 一度やり方がわかってしまうと、いろいろな対立形質について考えることができるので、やり始めると面白いと思います。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
 次回もお楽しみに!

コメント一覧

メンデルの法則の応用問題~応用問題を解く秘訣は、遺伝の図が書けることと、文章を読み解く力!!~ | いやになるほど理科~高校入試に向け、”わからない”が”わかる”に変わるサイ2021年5月18日 11:00 PM / 返信

[…]  詳しくは、こちらの記事で紹介した「応用問題」をご覧ください。 遺伝の法則②~色々な生物や形質でメンデルの法則を応用してみよう~ (4)③でできたエンドウの種子の遺伝子は「Aa」と「aa」です。 […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。