・酸化銅の還元の問題が解けない
・テストまでに何を勉強していいかわからない
という人の悩みを解決します。
こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
今回は、中学2年生理科 化学変化の単元の中から「酸化銅の還元」の問題の解き方を説明します。
今回は定期テストで出てくる問題のなかでも、比較的難しい問題を解説していきます。
「小テストでは点数が取れるけど、定期テストになったら取れない」という人の悩みを解決する記事になっています。
少々難しいと思うこともあるかもしれませんが、何回も読んで理解をするようにしてください。
なお、酸化銅の還元の実験の様子は、こちらをご覧ください。
https://rika-net.com/outline.php?id=00002056005g&top=1
また、酸化銅の還元の説明は、こちらの記事をご覧ください。
酸化物が酸素を失う反応~酸化と同時に起きるとっても大切な反応~
*化学式に書いてある、赤い数字は、下に書く小さい数字のことです。
問題1 酸化銅と炭素(活性炭)の粉末を試験管①に入れ加熱し、発生した気体を試験管②の石灰水にとした。
(1) 加熱前の試験管①の中の物質は、何色ですか。また、加熱していくと何色に変わっていきますか。
(2) 加熱後の試験管①に残った物質は何ですか。物質名と化学式を答えなさい。
(3) 加熱していくと試験管②の中の石灰水はどのように変化しますか。また、この変化から、何の発生した気体が発生したことがわかりますか。
(4) この実験で起こった化学変化は下のような化学反応式で表すことができる。( X )( Y )にあてはまる化学変化の名前を書きなさい。
それでは考えてみましょう。
解説を読む前に、自分で考えることが大切です。
【解答】
(1)加熱前・・・黒、加熱後・・・赤(赤茶色)
(2)銅、Cu
(3)白く濁る、二酸化炭素
(4)X 酸化:Y 還元
【解説】
(1)実験に使う物質の色はテストでけっこう聞かれます。
この実験に限らず、物質の色に注意して実験をするようにしましょう。
酸化銅は黒です。これは銅を空気中で加熱すると黒くなる実験でわかります。
また、炭素と混ぜて加熱すると赤色になります。
この赤色の粉末を、薬さじなどで強くこすると金属光沢が見られます。
(2)酸化銅から酸素がうばわれたので「銅」ができました。
銅の化学式は「Cu」です。
(3)石灰水に二酸化炭素が溶けると、白く濁ります。
定番の問題なので、確実に解けるようにしましょう。
(4)炭素(C)は酸素原子を2つ受け取って二酸化炭素(CO2)になっています。
だから、「酸化した」と言えます。
酸化銅(CuO)は、酸素を失って銅(Cu)になっています。
だから、「還元した」と言えます。
このように、酸化と還元は必ず同時に起こります。
よく聞かれるので注意しましょう。
問題2 酸化銅と炭素の混合物を加熱したところ、気体が発生して、試験管には赤茶色の物質が残った。
(1) 赤茶色の物質をろ紙の上に置いて、薬さじでこするとどうなるか。また、この物質の名前を何というか。
(2) この実験のように、酸化銅から赤茶色の物質を取り出す化学変化を何というか。
(3) (2)の化学変化を利用しているものを、ア~エから選びなさい。
ア 水に電流を流して水素を取り出すこと
イ 原油から灯油を取り出すこと
ウ 鉄鉱石にコークスなどを混ぜて加熱し、製鉄すること
エ 食塩の飽和水溶液を加熱し、結晶を取り出すこと
(4) この実験の化学変化を、化学反応式で書きなさい。
【解答】
(1) 光る(金属光沢が出る) 銅
(2) 還元
(3) ウ
(4) 2Cu + O2 → 2Cu + CO2
【解説】
(1)酸化銅と炭素(活性炭)を混ぜて加熱すると、酸化銅が酸素を失います。
酸素を失うので、銅ができます。銅は金属なので、強くこすると金属光沢が見られます。
(2) 酸化銅が銅になった反応なので、「還元」です。
(3) ア~エは次の現象です。
ア 水の電気分解
イ 蒸留
ウ 酸化鉄の還元(鉄鉱石の主成分は”鉄”、コークスの主成分は”炭素”です)
エ 再結晶
(4) 化学反応式の詳しい書き方はこちらで説明してるので、こちらをご覧ください。
酸素と結びつく反応~意外といろいろなところで利用されている酸化反応~
今日も2問解いてみました。けっこう苦戦した人も多いのではないでしょうか?
基礎的な内容を一度確認したら、必ず問題を解くようにしましょう。
そして、必要ならもう一度基礎を確認しましょう。
その繰り返しが、学力を高めていくのです。