・オームの法則についてわからない
・「電圧」「電流」「抵抗」の求め方がわからない
という悩みを解消します。
こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
今回は、中学2年生理科 電流分野から、「電流と電圧の関係(オームの法則)の計算」について説明します。
前回は電熱線にかかる電圧と電流の大きさの関係について、実験から説明していきました。
今回は計算で電流・電圧・抵抗を求める方法について解説していきます。
最初に、基本問題を解いてみましょう。下に答えを書きますが、一度自分で計算してみてください。当たっていても間違っていてもいいので、自分で一度計算することが大切なのです。
問題1 ある電熱線に12Vの電圧を加えて、3Aの電流が流れたときの電熱線の抵抗は何Ωか。
問題2 ある電熱線に15Vの電圧を加え、300mA電流が流れたときの電熱線の抵抗は何Ωか。
【解答と解説】
問題1 4Ω
電圧が12V、電流が3Aなので、E=IRに代入すると、
12=3R となる。
これを解くと
R=4 となるので、答えは4Ωになる。
問題2 50Ω
電圧が15V、電流が0.3A(単位をAにすることがポイント)なので、E=IRに代入すると、
15=0.3R となる。
これを解くと
R=50 となるので、答えは50Ωになる。
なお、mAをAに変えるには、下の表を参考にするとわかりやすい。
1A = 1000mA
0.1A = 100mA
0.01A = 10mA
0.001A = 1mA
この問題1、問題2がオームの法則の問題の基本中の基本です。
まずは、確実に解けるようになりましょう。
続いて、基本中のちょっと応用問題を解いてみましょう。
問題3 抵抗10Ωの電熱線に3Aの電流が流れたとき、加えた電圧は何Vか。
問題4 抵抗15Ωの電熱線に、500mAの電流が流れたとき、加えた電圧は何Vか。
問題5 抵抗5Ωの電熱線に、15Vの電圧を加えたときに流れる電流は何Aか。
問題6 抵抗30Ωの電熱線に、3Vの電圧を加えたときに流れる電流は何Aか。
【解答・解説】
問題3 30V
抵抗10Ω、電流が3Aなので、E=IRに代入すると
E=3×10 となる。
これを計算すると
E=30 となるので、答えは30Vとなる。
問題4 7.5A
抵抗15Ω、電流が0.5A(mAではなく、Aで計算するのがポイント)なので
E=IRに代入すると
E=0.5×15 となる。
これを計算すると
E=7.5 となるので、答えは7.5Vとなる。
問題5 3A
抵抗が5Ω、電圧が15Vなので、E=IRに代入すると
15=5I となる。
これを計算すると
I=3 となるので、答えは3Aとなる。
問題6 0.1A(100mA)
抵抗が30Ω、電圧が3Vなので、E=IRに代入すると
3=30I となる。
これを計算すると
I=3÷30=0.1 となる(30÷3としないように注意!!!)ので答えは0.1A(100mA)
できましたか?
ここまでの問題を解いて、
公式は1つだけ覚えていればOK
ということがわかったと思います。
私はE=IRで覚えたので、この方法で説明していますが、他の方法で覚えた人は、その方法で解いてみてください。
それでは、応用問題を解いてみましょう。
応用問題は、大きく2種類に分かれます。
①グラフを使った問題
②回路図を使った問題
です。
最初に、グラフを使った問題を解いてみましょう。
問題7 次のグラフの抵抗A,抵抗Bの抵抗を求めなさい。
【解答と解説】
抵抗A 10Ω
グラフを見ると、電圧が3Vのときに電流が0.3A流れている。
E=IRに代入すると
3=0.3R となる。
これを計算すると
R=3÷0.3=10 となるので、答えは10Ωになる。
抵抗B 20Ω
グラフを見ると、電圧が6Vのときに電流が0.3A流れている。
E=IRに代入すると
6=0.3R となる。
これを計算すると
R=6÷0.3=20 となるので、答えは20Ωになる。
このように、グラフの問題では
縦軸と横軸が交わるところの値を使って公式に代入する
ことで解くことができます。
グラフから、電圧と電流の値を読み取ることができれば、あとは基本問題とまったく同じようにして解くことができます。
それでは次に、回路図を使った問題を解いてみましょう。
問題8 次の回路図の抵抗A、抵抗Bの抵抗を求めなさい。
【解答と解説】
抵抗A 9Ω
抵抗B 6Ω
直列回路なので、
流れる電流の大きさは全て等しい
だから、抵抗Aにも抵抗Bにも0.5Aの電流が流れている。
抵抗Aは、4.5Vの電圧がかかっているので、E=IRに代入すると
4.5=0.5R となり
R=4.5÷0.5=9 となるので、答えは9Ωになる。
抵抗Bは、3.0Vの電圧がかかっているので、E=IRに代入すると
3.0=0.5R となり
R=3.0÷0.5=6 となるので、答えは6Ωになる。
問題9 次の回路図の抵抗C、抵抗Dの抵抗を求めなさい。
【解答と解説】
抵抗C 60Ω
抵抗D 30Ω
並列回路なので、
2つの抵抗にかかる電圧は全て等しい
抵抗Cは6.0Vの電圧で、0.1Aの電流(100mA=0.1A)が流れているので、
E=IRに代入すると
6.0=0.1R となる。
これを計算すると
R=6.0÷0.1=60 となるので、答えは60Ωとなる。
抵抗Dには6.0Vの電圧で0.2A(200mA=0.2A)が流れているので、
E=IRに代入すると
R=6.0÷0.2=30 となるので、答えは30Ωになる。
以上が、オームの法則の計算です。
おそらく、ここまでできるようになればオームの法則の計算はOKだと思います。
今日の内容はよくわかったけど、抵抗とか、電流とか、電圧とかを求めることができない
という人は、
複合問題ができていない
可能性が大きいです。
複合問題の解き方については、またの機会に説明します。
最後に、以前紹介した最終問題の解き方を解説します。
最終問題はこちらの記事に書いてありますので、ご覧ください。
電流の計算の攻略法~最初に「目標を確認すること」こそ最も大切~
今回の記事の内容で、問題1(5)と問題2(5)ができるようになりました。
それでは解説します。
問題1(5)
【解答】15Ω
【解説】
4.5Vの電圧で、0.3A(300mAは0.3A)の電流が流れているので、
E=IRに代入すると 4.5=0.3R となる。
これを計算すると
R=4.5÷0.3=15 となるので、答えは15Ωとなる。
問題2(5)
【解答】12Ω
6.0Vの電圧で、(回路全体の)電流は0.5A流れている。
E=IRに代入すると 6.0=0.5R
これを計算すると
R=6.0÷0.5=12 となるので、答えは12Ωとなる。
この計算には、答えるために別の方法もあります。
次回は、別の方法でのやり方を紹介していきます。
電熱線のつなぎかたと、全体の抵抗~直列回路と並列回路では全体の抵抗が違ってくる!~ | いやになるほど理科~高校入試に向け、”わからない”が”わかる”に変わるサイト~2021年2月14日 1:41 AM /
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