目次
こんにちは。頭文字Dです。
今日は、「日本の四季の天気の特徴」について説明します。
前回の「日本付近の3つの気団」について理解できたでしょうか?気団について理解していれば、今回の内容は簡単にわかると思います。
まだ読んでいない人は、前回の内容もぜひご覧ください。
さっそくですが、冬から説明していきます。
なぜ冬から説明するのかといえば、
高校入試において、一番大事なのが冬の気圧配置
だからです。
理由はいくつかあります。
一つ目の理由は、冬に天気があれると(特に北海道、東北などでは)被害が大きくなるからでしょう。日常生活に関係しているので、よく出題されるのです。
もう一つの理由は
問題が作りやすいから
です。
問題を作る側からすると、
内容が難しい上に、理解している人とそうでない人を判断しやすい
という理想的な問題になるからです。
・・・このような話をすると「ぐぇ、難しそう・・・。読むのやめようかな…」
という人が増えてきそうですが・・・
でもちょっと待ってください。ここで、一つ法則を覚えてください。
難しい問題はワンパターン
という法則です。(笑)
これは、ほかの単元でも当てはまるのですが、作成側が作りやすい問題はたいして考えて作っていないので、ワンパターンになります。
ちょっと話がそれますが、電流などはその典型です。
少し難しくて、みんなが苦手意識を持っているので、ワンパターンな問題を出しても間違えてくれる。だから、あまり考えないで問題を出せるということです。
これを逆手に取ると、
解き方もワンパターンなので、覚えてしまえばいい
ということになります。
これがわかってしまえば、出てきたら「チョーラッキー!」問題になります。だって、自分は解けるけど、ほかの人は解けない問題だからです。自分の成績を上げる格好の問題なのですね。
だから、ちょっとだけこの後の話に付き合ってください。
前回、「冬はユーラシア大陸上空にあるシベリア気団が発達する」と書きました。また、「気団は高気圧」という話もしました。
つまり、冬は日本の西側にあるユーラシア大陸上に高気圧が、東側の太平洋に低気圧が発生します。
この気圧配置を「西高東低」
といいます。
これは、絶対に覚えてください。「冬の気圧配置」と聞かれたら、「西高東低」とすぐに答えられるように。反射的に答えられるようになりましょう。
風は高気圧から低気圧に向かって吹くので、西高東低の気圧配置のとき日本には北西から南東に向かって季節風が吹きます。
この季節風を
北西の季節風
と覚えましょう。
くどいようですが、風は「吹いてくる」方向の名前をつけます。「北西の風」とは北西から吹いてくる風なのです。
続いて、雪の降り方について説明していきます。
これも前回説明しましたが、「シベリア気団は陸上にある気団なので、乾いている」のです。乾いているから基本的には雨や雪を降らせにくい風が吹きます。
し・か・し
ユーラシア大陸と日本列島の間に日本海があることがポイント
です。
乾いた風が日本海の上を通過するときに、た~~~ぷりと水蒸気を含んでいきます。
そして、日本列島につくときには、
雨や雪を降らせやすい風に変わっている
のです。
もう一つ、日本列島の地形も雪の降り方に影響します。日本列島の北側(東北地方から関東地方にかけて)には南北に高い山脈(日本アルプス)がそびえたっています。
風が日本アルプスに当たると、上に向かって進みます。いわゆる上昇気流です。
上昇気流が発生するところに雲ができて雨や雪が降ります。
ましてや、日本海の上でたくさんの水蒸気を含んできた風です。
日本海側にたくさんの雪を降らせていきます。
だから、日本海側では豪雪地帯になります。
これに対して、日本アルプスを越えた関東地方はどうなるでしょうか?
日本アルプスを越えた風は今度は下に向かって進みます。いわゆる下降気流です。
下降気流では雲が消えて天気が良くなります。
ましてや、日本海側でいやというほど雪を降らせてきた風です。関東地方に来る頃にはすっかり乾いています。
だから
関東地方は雪はほとんど降らず、晴れる日が多い
のです。
ちょっと説明が長くなってしまったので、要点をまとめます。
冬は「西高東低」の気圧配置になり、北西の季節風が吹く。
日本海側で雪が多く振り、太平洋側では晴れる日が多い。
説明が長かったので、難しいと思った人も多いでしょう。
しかし、春の天気がきかれるときはワンパターンの問題が多いのです。
大きく書いた文字だけを覚えても正解する確率はかなりあがります。さらに説明できるようになると、間違えることはほとんどなくなるでしょう。
最初はハードルが高く感じるかもしれませんが、がんばってください。
次に春の天気です。
太陽の日差しが少しずつ強くなってくると、シベリア気団の勢力が弱まります。
すると、中国大陸の上空で、移動しやすい高気圧が発生します。
このころには北西の季節風は弱くなっているので、高気圧は偏西風に流されて西から東へと移動します。
もちろん、低気圧も西から東へと移動します。
すると、日本列島には高気圧と低気圧が交互に来るようになります。
低気圧が来て、高気圧が来て、また低気圧が来て・・・。低気圧の時には天気が悪くなり、高気圧に入ると天気は良くなる・・・。
つまり
春の天気は変わりやすい
のです。
みなさんも経験ないでしょうか?春は朝天気が良くても、家に帰る頃には雨が降っていたことは。
これは朝は高気圧におおわれていたのですが、夕方には低気圧が来たからですね。もちろん、その逆もたくさんあります。
さらに太陽の日差しが強くなってくると、海の上に高気圧が発達します。
オホーツク海気団と小笠原気団です。最初はオホーツク海気団の方が勢力が強いのですが、徐々に小笠原気団の勢力が強くなります。
そして、この2つの気団の勢力が同じ頃に、停滞前線が発達します。
春に発達する停滞前線を、「梅雨前線(ばいうぜんせん)」
といいます。
そして、梅雨前線による雨が降り続き期間を「梅雨(”つゆ”または”ばいう”)といいます。
この2つの気団の勢力がほぼ同じ期間が結構長いです。
最初は沖縄当たりで発生する梅雨前線ですが、徐々に北上し、関東地方や東北地方まで影響を与えるようになります。
徐々に北上していくのは、小笠原気団の勢力が強くなっていくからです。
そして、太陽の日差しが強くなり、小笠原気団の勢力がさらに強くなると、オホーツク海気団が消滅し、梅雨明けが訪れます。
1年で一番太陽の日差しが強い夏には、小笠原気団の勢力が一番強くなります。
日本の南側に小笠原気団という大きな高気圧があり、反対に北側には低気圧が発生します。
この気圧配置を
「南高北低」または「夏型の気圧配置」
といいます。
南高北低の気圧配置では、
南東からの季節風
が吹きます。暑い夏に涼しい風が吹いてくれれば嬉しいのですが、この風は暖かい小笠原気団から来ているのでなまぬるいです。残念。
等圧線の間隔は比較的広いので、風は弱いです。
だから、「夏に風が吹いていい気持ち」になることはあまりなさそうです。
さ・ら・に
夏には、南の海上からあれがやってきます。風速17.2m/秒の熱帯低気圧。
そうです。
夏には熱帯地方から台風がやってくる
のです。
熱帯地方で発達した低気圧を「熱帯低気圧」といい、日本付近(温帯地方)で発生する低気圧を「温帯低気圧」と言います。
この2つの低気圧には違いが2つあります。
熱帯低気圧の等圧線は同心円状、温帯低気圧はいびつ
熱帯低気圧は前線を伴わない、温帯低気圧は前線を伴うことが多い
という違いです。
南の方に、同心円(中心が同じ円のこと)で前線がない低気圧が見られればそれは「熱帯低気圧」です。これが大きくなったものが「台風」です。
夏が終わって太陽の日差しがじょじょに弱くなっていくと、小笠原気団の勢力が弱まってきます。
そして、オホーツク海気団の勢力が強くなり、停滞前線ができます。
秋にできる停滞前線を「秋雨前線(あきさめぜんせん)」といいます。
さらに日差しが弱くなると、中国上空に移動性高気圧が発生します。
春と同じように、偏西風に流されて高気圧と低気圧が交互にくる、「天気が変わりやすい秋」になります。
ことわざにもありますね。「女心と・・・・」って。それくらい、秋の天気は変わりやすいのです。(女性の方、失礼しました)
これで1年間の天気の特徴は全てです。
こうしてみると、冬の天気の説明が長いですね。約半分くらいの分量を使ってしまいました。
最初にいったように、春の天気はこれくらい内容が濃いので問題をつくる側からすると、とってもつくりやすい内容なのです。
ただし、問題はワンパターンになることが多いので、わかってさえしまえば「チョーラッキー問題」になります。
少し時間はかかるかもしれませんが、冬の天気の特徴がラッキー問題になるように頑張ってください。
”日本海側で大雪”を中学理科的に読む – いやになるほど理科2020年12月19日 9:59 AM /
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