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雲のでき方【中学校 理科 天気 よくわかる】

 こんにちは。頭文字Dです。

 今日は雲のでき方について説明します。

(1)やってみよう!雲を作る実験

 それでは、さっそく実験をしてみましょう。この単元では数少ない実験の一つです。

 用意するものは、ペットボトル(ふたつき)、ぬるま湯、線香(マッチなどの火をつけるもの)です。

 用意ができたら、これら3つのものを使って雲を作ってください。はい、どうぞ。

 ・・・できましたか?

 「これだけで、本当にできるの?だって、理科の実験じゃ、注射器とか簡易真空装置を使ったよ」という人がいるかもしれません。

 確かに、教科書に書いてある実験には注射器や簡易真空装置などを使って、雲を作っています。

 しかし本当は、ペットボトルとぬるま湯と線香があれば、雲を作ることができるのです。

 どうやるのでしょうか?

 正解は2つあります。

 1つ目は、ペットボトルの中にぬるま湯を入れて捨てた後に、線香の煙を入れます。

 そして、その後にふたをして、水道の水などで冷やす方法です。

 こうすると、ペットボトルの中の空気に含まれる水蒸気が冷えて水滴となります。この水滴が”雲”なのです。

水蒸気は冷やすと水滴になる

という理論が分かりやすい実験です。

 2つ目の方法も、ペットボトルの中にぬるま湯を入れて捨てた後に、線香の煙を入れてふたをするまでは同じです。

 そして、ペットボトルを握ってすぐに話してみましょう。

 何回かやってみてください。そのうちに、ペットボトルの中が白く曇ってきます。これが”雲”なのです。

 最初の実験はなぜ雲ができるのかわかりやすいですね。

 「水蒸気が冷えて水滴となるから雲ができる」ということです。

 1年生の時に、物質の状態変化を習っているので、それと同じことが水にも起きていると考えることができます。

 では、2つ目の方法で雲が発生したのはなぜでしょうか?

 実は、ペットボトルを握ったり放したりすると、ペットボトルの中の空気の温度が上がったり、下がったりするのです。

 握ると温度が上がり、放すと温度が下がるのです。

 温度が上がったときに空気中にとける水蒸気の量が増えます。それが急に放すと一気に温度が下がります。温度が下がるので、空気に溶けきれなくなった水蒸気が水滴となって現れます。この水滴が”雲”なのです。

 やり方は多少違いますが、どちらも

ペットボトルの中の空気の温度を下げて、水滴を出している

という点では同じなのです。

 ちなみに、中学生にやらせてみると、最初に出てくるやり方が「水道で冷やす」方法です。その後、しばらくして「握ったり放したり」することに気付く生徒が出てきます。

(2)教科書の実験をやってみよう!

 それでは、教科書に載っているやり方で、雲を作ってみましょう。

 教科書(教育出版)にも2種類のやり方が紹介されています。

 1つ目の方法は、「簡易真空容器」を使う方法です。簡易真空容器って食料などを空気を抜いて保存する容器です。普通の家の台所にあるのかな?私のうちにはありません。

 さて、この簡易真空容器の中にぬるま湯を入れて捨てたのちに、線香の煙を入れましょう。

 そしてハンドルを使って、徐々に空気を抜いていくと・・・できました!白い雲が容器の中に発生しました。

 「手で触りたい!」といって容器を開けると、そのとたんに雲はなくなってしまうので中止しましょう。

 なぜ、雲ができるのでしょうか?

 それは、

ぬるま湯から水蒸気をたっぷり受け取った空気は、容器の中の空気が抜けていくにつれて、温度が下がってくる

からです。

 「容器の中の空気が抜けていく」というのは、「容器の中の気圧が下がる」ということです。

気圧が下がる→上がっていった空気の体積が大きくなる(膨張する)→気温が下がる→露点に達する→雲ができる

ということになります。

 ”露点”とは

「空気を冷やしていったときに、水滴ができ始めるときの温度」

です。キーワードなので、しっかりと覚えておきましょう。

 次に、注射器と丸底フラスコを使う方法を説明します。

 丸底フラスコの中に、ぬるま湯を入れて捨てた後に、線香の煙を入れます。

 注射器がついたゴム栓をつけて、注射器を勢いよく引くと・・・

丸底フラスコの中が白く曇りました!

 ”雲”ができたのです。

 先ほどと同じように、「雲にさわりたい!」と思ってふたをとった瞬間に雲は消えるので、さわることはできません。あしからず。

 なぜ、この方法で雲ができるのでしょうか?

 注射器を引くと、丸底フラスコと注射器はつながっているので、体積が増えます。体積が増えることを”膨張”といいます。

 体積が膨張すると気温も下がります。

 つまり、

体積が膨張する→気温が下がる→露点に達する→雲ができる

ということになります。

 テストに出題されるときは、丸底フラスコに注射器をつけて行う実験が一番多いので、まずはこの実験をしっかり覚えましょう。

(3)実際に雲はこうできる!

 これまでの実験をもとに、雲のでき方を学んでいきましょう。

 最初に絶対に覚えてほしいことがあります。

 それは

雲は上昇気流があるところにできる

ということです。これが、今日一番大切なことかもしれません。

 上昇気流があるところでは、何が起こっているのでしょうか?

 上昇気流ということは、空気のかたまりが上昇しているということです。

 空気のかたまりが上昇すると、周りの気圧が低くなります。

 周りの気圧が低くなると上がっていった空気の体積は膨張します。

 体積が膨張すると、空気の温度(気温)が下がります。

 気温が下がって露点以下になると雲ができるのです。

 まとめると

上昇気流ができる→空気のかたまりが上空に上がる→周りの気圧が下がる→空気の体積が膨張する→気温が下がる→露点以下になると雲ができる

ということになります。

 少々長い説明ですが、いくつかに分けているので覚えやすいかと思います。

 覚えるときのコツの一つに、「細かく分けて覚える」ということがあります。

 電話番号も「0123-45-6789」のように、ハイフンで区切っていますね。ハイフンなしで10桁(携帯電話は11桁)を覚えることはとても難しいことだと思います。

 だから、勉強でも

長いものはいくつかの短いパーツに分けて覚えていく

ことが効果的なのです。

 今日はここまでにします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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