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【中学校理科 天気】気象要素の測定~ポイントは乾湿計の使い方~

 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。中学生に勉強を25年以上教えています。
 その経験を元に、「授業で習ったけど、いまいちわからなかった」人を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
 特に、中学生が間違えやすい部分を取り上げ、どのように考えれば(覚えれば)間違えを減らせるのかについて説明しています。

 今日は、中学2年生理科【天気の単元】から、気象要素の測定方法について説明します。
 前回書いた「【中学理科 天気】こうすれば覚えられる天気記号!~ポイントは雲の量~」も合わせてお読みください。

【中学理科 天気】こうすれば覚えられる天気記号!~ポイントは雲の量~

 気象要素とは、気温・湿度・風向・風力・気圧のことです。
 このうち、風向と風力については昨日説明したので、今日は気温・湿度・気圧の測定の仕方について説明します。
 この部分は、難解な天気の単元の中では比較的わかりやすいところです。
 ただし、油断は禁物です。
誰もが解けるイージー問題でのミスは致命的
だからです。
 確実に得点にできるように、しっかりと勉強しておきましょう。

(1)気温の測り方

 まずは気温の測り方です。一番身近で、一番気になるところですね。
 おそらく、今まで一度も温度計を使ったことがないという人はいないと思います。
 ですが、正式な測り方について聞いたこともないという人もいると思うので、2つだけ覚えておきましょう。
 ①地表から1.5mの高さで測る
 ②直射日光を当てない
 なんで1.5mの高さなのでしょうか?
 私も正確にはわからないのですが、おそらく人間の目の高さがだいたい1.5mだからだと思います。
 中には「おれはもっと背が高い」という人もいると思いますが、子供も大人も統一した高さにしなければならないので、15.mが妥当ということなのでしょう。
 もう1つ、直射日光が当たると正確な温度をはかることができないので、直射日光の当たらない場所で測るか、紙などで日陰を作って測るのです。

(2)湿度の測り方

 続いて、湿度の測り方です。
 湿度は「乾湿計」で測ります。
 下の写真のようなものです。

 左側の赤い温度計は普通の温度計です。「乾球(温度計)」といいます。
 右側の青い温度計は普通の温度計ですが、下のケースに水が入っていて、ガーゼがついています。青い温度計を「湿球(温度計)」といいます。
 水が気体になるときに熱を吸収する(”気化熱”といいます)のですが、青い温度計は水がうばった熱の分だけ低い温度になります。
 乾湿計は、この乾球と湿球の温度差を利用して湿度を測ります。
 乾湿計の乾球温度計と湿球温度計の間に次のような表が書いてあります。

 この表を「湿度表」といいますが、この名前を覚える必要はありません 。
 でも、ちょっと見づらいので、書き直してみました。

 この乾湿計を使った湿度の求め方がよく問題に出ます。
 では、例題をやってみましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【例題1】乾球の温度が24℃、湿球の温度が23℃のとき、湿度は何%か?上の湿度表を使って求めなさい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 では、やってみましょう。
 まず、表の右端を見ましょう。
 「乾球温度【℃】」と書かれています。
 今、「乾球の温度が24℃」と書かれているので、太字で書かれた24のラインを横に見ていきます。
 次に、表の上を見てください。
 「乾球温度と湿球温度の差」書かれています。
 「差」とは引き算の答えでしたね。
 問題文に「湿球の温度が23℃」と書かれているので、乾球の温度24℃から引き算をします。
24(℃)ー23(℃)=1(℃)
 つまり、横に並んだ太字の2℃のところを縦に見ていきます。
 言葉だけだとわかりにくいので、色をつけてみました。

 赤いラインが乾球の温度の24℃を横に見たときのものです。
 青いラインが乾球温度と湿球温度の差の2℃を立てに見たものです。
 この2つの色のラインが交わったところにある数字が、このときの湿度になります。
 つまり
答え 91%
となります。
 わかったでしょうか?

 念のために、もう一問やってみましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【例題2】乾球の温度が20℃、湿球の温度が18℃のとき、湿度は何%か?上の湿度表を使って求めなさい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 例題1と同じようにやってみましょう。
 問題文から「乾球温度が20℃」であることがわかります。だから、20℃を横に見ていきます。
 次に、「湿球の温度が18℃」であることがわかるので、
20(℃)ー18(℃)=2(℃)
となります。
 だから、「乾球温度と湿球温度の差」が2℃のところを立てに見ていきます。
 色をつけると次のようになります。

 ということで、
答え 81%
となります。
 引き算しか計算しなくてすむので、湿度の問題の割に正答率は高いです。
 だから、
この問題が出たら、絶対に正解するように
しましょう。
 応用問題としては、「乾球の温度が20℃のとき、湿度は81%だった。このときの湿球の温度は何度か」などと出題されることがほとんどです。
 上の写真を見て、答えを考えてください。

(3)気圧の単位はhPa ~大文字小文字をきちんと書こう~

 最後に、気圧の測定について説明します。
 気圧を測定する器具は、
  アネロイド気圧計
  水銀気圧計
です。
 どちらを答えてもよいのですが、アネロイド気圧計と書く人が多いです。
 ただし、「アンドロイド気圧計」と書く人がいるので、気をつけてください。笑っているあなたが一番怪しいですよ。

 気圧計の使い方については、難しいことはありません。
 部屋の壁などに掛けておいて、数字を読み取ればいいのです。
 ただし、読み取るときには単位に気をつける必要があります。
 それは、
hPaのPは大文字
であることです。
 単位を書き間違えると確実に×です。
 絶対に間違えないようにしましょう。
ほとんど間違えない問題を落とすのは致命傷
になりかねません。

 本日も、長い文を最後まで読んでいただきありがとうございました。

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