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飽和水蒸気量と水蒸気の問題~実践編~

こんにちは。頭文字Dです。
今日は昨日に引き続き、「飽和水蒸気量と水蒸気量」の話をします。”実践編”ということで、実際の問題を解いていくのに、必要なことをお話ししていきます。
昨日は計算尺のつくり方と使い方を説明したので、それを使って考えていけばいいのですが、テストでは計算尺は使えません。
 だから、計算尺で理解した次は、計算尺なしでも問題が解けるようにならなくてはいけません。
ここで、ほとんどの中学生は大きな壁にぶち当たります。
計算尺がなくなったとたんに、何をやってよいかわからなくなるのです。
 ほとんどの人は、その原因すらわかりません。
 原因がわからないから、改良の仕方が分かりません。
だから最初に、その原因をお教えします。
それは、

問題が解けない人は、問題が読めていない

という事実です。
 このように書くと、ほとんどの人は「問題が読めていない?自分は大丈夫だよ」
というでしょう。
 しかし、そういう人に限って読めていないので注意してください。

 では、読めているとはどういうことか?読めていないとはどのようなことか?について具体例を挙げて説明していきます。

 それでは例題です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【例題】
室温が18℃の部屋の空虚の温度を10℃まで冷やしたとき、1m3あたり何の水滴が発生するか。
気温(℃)    10   12   14    16    18    20
飽和水蒸気量  9.4  10.7  12.1   13.6   15.4   17.3
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ここでいくつかのポイントがあります。
1つ目のポイントはこれです。

飽和水蒸気量は、問題のどこかに必ず書いてある

ことです。
 この問題でも書いてありますね。
 ブログの書き方をよく知らないので、書けなかったのですが、本当はこの問題の飽和水蒸気量は「表」の形で書きたかったのです。だから、表だと思ってください(笑)
 だから、

問題を読んだら、飽和水蒸気量を確認する

ことを忘れずに行ってください。

 でも、飽和水蒸気量が書いてあることに気付かない人もいます。こういう人は、残念ながら問題が読めていないと言えます。
 なぜ読めないのか?
 それは、飽和水蒸気量の書き方には大きく3つあるからです。

    ①問題文の中に、その部分だけ書く< ②表として書く ③グラフで書く

 そして、読み解く難易度としては、①が一番簡単で、③が一番難しいです。
 昨日の問題は①でした。
 ①が簡単なのは、

必要な数字しか書いていない

からです。
 難しいことは考える必要はなく、書いてある数字を(すべて)使って問題を解けばいいので、けっこう簡単に解くことができます。
 ②が①に比べて難しくなるのは

必要でない数字が書いてある

からです。
 「この数字は必要」「この数字はいらない」という”判断”をしなくてはいけないので、勇気がいります。
 実は、勉強が苦手な中学生の特徴として

すべてが大切なことだと思ってしまう

ことが挙げられます。
 確かめる方法はとても簡単です。
 教科書のてきとうなページを開いて「大事だと思うところに線を引いて(蛍光ペンでマークして)みてごらん」と言えばいいのです。
 勉強が得意な子ほど、線を引く部分が少ないです。
 苦手な子ほど、教科書のすべての箇所に線を引きます。
 私はこれを

ワーキングメモリー(作業記憶)の浪費

と呼んでいます。
 詳しい話は別の機会にしますが、実は難しいと言われている全国学テ(全国学習・学力調査)の問題も、この「ワーキングメモリーが浪費」するように作られているのです。詳しくは別の機会に説明しますね。

 話がそれてしまいましたので戻します。
 ③「グラフで書く」が難しい理由は、理解できると思います。

グラフの読み方がわからない

からです。
 グラフの読み方については、次の例題2で説明しますので、ここでは省略します。

 だいぶ、話がそれてしまったので、もう一度例題を振り返ってみましょう。 
 振り返るついでに、私がどのように問題を読むかについても紹介します。
 私なら、例題を次のように読みます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【例題】

 室温が18℃の部屋の空虚の温度を10℃まで冷やしたとき、1m3あたり何gの水滴が発生するか。

気温(℃)    10   12    14    16    18    20

飽和水蒸気量 9.4  10.7   12.1   13.6   15.4   17.3

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 念のために言っておきますが、私は目が悪くてメガネをしていますが、特定の文字だけ大きく見えるという特殊能力は持っていませんからね。(笑)
 今、大きく書いた字は

頭の中でキーワードとして覚えている言葉

を表しているのです。
 大きく書いた字だけを覚えて問題を考えているので、ほかの字についてはほとんど頭に入っていません。
 気付いた人もいると思いますが、実はこの問題、一か所間違えがあります。
 それは1行目の「空虚の温度」という言葉で、正しくは「空気の温度」です。
 今はあえて間違えて書いたのですが、おそらく自分が受験生でこの問題を見たときには、間違えに気付かないでしょう。
 なぜなら、大きく書いた字に集中していて、小さい字の情報はほとんど必要ないと思っているからです。
 テストなどで(教科書を読むときも)

大切な言葉をピックアップしていく

ということが必要なのです。
 おそらく、一生懸命やっているけれどいまいち勉強が伸びてこないという人は、このピックアップが苦手なのだと思います。
 私も非常に眠い時に本を読むとそうなるのですが、集中力が落ちてくると、どの字も同じ大きさに思えてきます。要は、何が重要なのかわからないのです。勉強が苦手な人も、同じだと思っています。
 テストの問題や教科書を読んでいるとき、どの言葉も同じ大きさ(ここでいう”大きさ”とは”重要だと感じる度合い”のこと)に見えているのだと思います。
 これが

テストの問題を読めていない

ということなのです。
 「私のことだ!」と思った人。
 あなたは絶対にこれから伸びます。
 なぜなら、自分が伸びない理由が分かったからです。これからは、自分の課題を克服するために努力していけばいいからです。

 「私はそうではない」と思った人。<  あなたは違う理由で伸びないことが分かりました。  これからも私は、がんばっているけれど伸びない理由について紹介していきます。  その中のどれかに、あなたがつまずいている理由があるはずです。まずはそれを探しましょう。そして、見つけたら、その課題を克服していきましょう。  そうすれば伸びます。絶対に。  ・・・さて、またもだいぶ問題から離れてしまいました。  【例題】を解いていきましょう。  昨日学習したように、「何gの水滴が出るか」を調べるには、引き算をすればよかったですね。  最初の露点は18℃で、18℃の飽和水蒸気量は15.4g/m3でした。この空気が10℃まで冷えました。10℃の飽和水蒸気量はなので、計算は

15.4(g/m3)-9.4(g/m3)=6.0(g/m3)

答え 6.9g/m3
となります
 ここで、

18()-10()=8()

と、温度の引き算をしないように注意しましょう。
 おそらく、今日の説明を読んで「注意する言葉・数字がなんであるか」と昨日の記事を読んで「引き算をすればよい」ということを理解していれば、間違えるのはこのパターンだけかと思います。

 たった1問解くだけでかなりの分量の記事を書いてしましました。
 ただ、今回は

問題が解けることよりも、なぜ解けないのかを理解してもらう方が大切

だと思ったので、「なぜ解けないのか」「どのように間違えるのか」を中心に説明しました。

 今日はこのくらいにします。グラフを使った問題については、次回説明します。

 今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント一覧

これは便利!天気単元 要点のまとめ~天気の単元を復習できる一覧~ | いやになるほど理科2020年12月29日 10:34 PM / 返信

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