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冬の日のパチパチ君、静電気の実験~江戸時代から行われていた静電気の実験~

・静電気の実験ってどうやってやるの?
・静電気が発生する仕組みがわからない

という悩みを解消します。
 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
 今回は、中学2年生理科 電流分野から、「静電気の実験」について説明します。
 「静電気って簡単!」と思っている人も多いと思います。
 しかし、実力テストや高校入試でよくでる内容であるので、確実に得点できるようにしっかり勉強しておきましょう。

1 静電気ってどんな時にできるの?

 冬、セーターや上着を脱ぐときに、パチパチ・・・と光が見えたことがありませんか?
 また、下敷きを髪の毛にこすりつけて持ち上げると、髪の毛が下敷きにひきつけられる遊びをやったことはありませんか?
 もしかすると、電気クラゲの実験をしたことがある人もいるかもしれません。塩化ビニルでできている水道管の上をゆらゆらと浮かぶ電気クラゲは見ていて面白いものです。やってみたい人は、こちらのサイトで詳しく説明されているので、ご覧ください。
 このような現象が起こるのはなぜでしょうか?
 そうです!静電気です。
 日本で、静電気の実験が行われていたのは意外に古く、江戸時代までさかのぼります。
 平賀源内という人が長崎で手に入れた「エレキテル」という装置を修理して実験を行ったと伝えられています。
 平賀源内が手に入れたエレキテルは、オランダでつくられたものですが、どのようにして平賀源内の手に渡ったのかは、よくわかっていないようです。
 どのようにして手に入れたかはよくわからないエレキテルですが、平賀源内はこれを修理したというのですから、相当なものです。
 完成したものをみて、直すのはそれほど難しくありませんが、当時はエレキテルの仕組みや静電気というものが知られていませんでした。
 それを修理してしまうのですから、平賀源内という人はそうとうすごい科学者だったと思います。
 エレキテルを作ってみたいという人はこちらのサイトをご覧ください。けっこうな量の静電気が発生するようで、参考動画を見るとかなり明るく光っています。

2 静電気の実験をやってみよう

 それでは、静電気の実験を行ってみましょう。
 用意するのは、ストロー2本、ティッシュペーパー、つまようじ(またはマチ針)、教科書などの本です。このほかに、塩化ビニル製の水道管などがあるといろいろな実験ができます。

やり方を説明します。
①片方のストローにつまようじを刺す。これをストローAとする。

②2本のストローをティッシュペーパーでこする。

③つまようじのついたストローを教科書などの本に軽くはさめる。

④もう片方のストロー(ストローB)を本にはさんだストローAに近づける。

⑤ストローをこすったティッシュペーパーをストローAに近づける。

 どうですか?ストローAが動いたでしょうか?
 上手に実験ができれば、④では、ストローAとストローBは離れていきます。
 逆に、⑤ではストローAとティッシュペーパーは近づきます。
 もしも、④でストローAとストローBが近づいたら、静電気がうまく発生していないので、もう一度ティッシュペーパーでこすってやり直してください。
 もしも、塩ビ管(塩化ビニル)の水道管などがあったら、ティッシュペーパーなどでこすってストローAに近づけてみてください。くっつくでしょうか?離れるでしょうか?

 このほかにも、下敷きや消しゴムなどをこすって近づけてみましょう。くっつくものと、離れるものがあるはずです。
 ちょっと面白いところでは、水道から流れる水に近づける方法があります。
 よくこすったストローを水道から流れる水に近づける(細めにしておくのがコツ)と水道の水が曲がります。

 これは、水が静電気に引き付けられるからです。
 やってみると、けっこう面白くてハマります。

3 どうして静電気が発生するのか?

 それでは、どのような時に静電気は発生するのでしょうか?
 実験として、ストローとティッシュペーパー、ストロー同士をこすり合わせて実験を行ってみましょう。
 すると、ストロー同士では静電気は発生せず、ストローとティッシュペーパーをこすり合わせたときに静電気が発生することがわかります。
 この実験から、
静電気は違う物質(2種類の物質)どうしをこすり合わせたときに発生する
ことがわかります。
 それでは、どうして2種類の物質をこすり合わせると、静電気が発生するのでしょうか。
それは
こすり合わせることによって、マイナスの電気が移動するから
なのです。
 全ての物質は、プラスの電気とマイナスの電気をもっています。
 通常は、プラスの電気とマイナスの電気の数は同じなので、プラスマイナス0となり、どちらの電気にも偏っていません。
 しかし、2種類の物質をこすり合わせるとマイナスの電気が移動します。
 最初はプラスの電気とマイナスの電気は同じ数だったのですが、こすることによりマイナスの電気が移動すると、数に差ができます。
 プラスの電気が多い物質はプラスに、マイナスの電気が多い物質はマイナスに帯電します。
 これが静電気が発生している状態です。
 そして、電気には絶対に覚えておかなければならない決まりがあります。
 それは、
同じ種類の電気どうしは反発する力がはたらく
違う種類の電気どうしは引き付けあう力がはたらく

ということです。
 ストローとティッシュペーパーをこすると、ストローはマイナスの電気を、ティッシュペーパーはプラスの電気を帯びます。
 だから、ストローとティッシュペーパーは引きつけあいます。
 また、ストローどうしでは、マイナスの電気を帯びた物体が近づくことになるので、反発しあいます。
 こするとマイナスの電気が移動する様子は、こちらのサイトで模擬実験をして理解することができます。
 毎度おなじみのPhETのサイトですが、とてもよく作られた良いサイトです。ぜひご覧ください。
https://phet.colorado.edu/sims/html/john-travoltage/latest/john-travoltage_ja.html
https://phet.colorado.edu/sims/html/balloons-and-static-electricity/latest/balloons-and-static-electricity_ja.html
 最後に、マイナスの電気のことを「電子」と言います。
 また、プラスの電気のことを「陽子」と言います。
 3年生でも使う用語なので、覚えておくとよいでしょう。
 静電気の実験は実力テストや高校入試でよく出てくるので、しっかり理解して、必ず得点できるようになりましょう。

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