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回路に流れる電流~直列回路・並列回路に流れる電流の極意は五文字でテンポよく覚える~

・直列回路に流れる電流の関係がわからない
・並列回路に流れる電流の関係がわからない

という悩みを解消します。
 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
 今回は、中学2年生理科 電流分野から、「回路に流れる電流」について説明します。
 前回は、電流計の使い方について説明しました。
 電流計の使い方や目盛りの読み方が難しいので、回路の電流についての記憶があまりない・・・という人もいるかもしれませんが、ほとんどの人がこの実験をやっているはずです。
 そんな人のために、実験の様子を写真でもわかるようにします。参考にしてください。

1 直列回路に流れる電流~極意は「全て等しい」~

 最初に、直列回路に流れる電流です。
 図のような直列回路のア・イ・ウの電流を測定します。
 結果がわかりやすいように、デジタルの電流計を使います。



 ちょっと電流計の値が見づらいのですが、すべて0.20Aになっていることがわかったでしょうか?
 そうです、
直列回路に流れる電流は全て等しい
のです。
 この実験をやってみたい人は、次のサイトをお勧めします。
 PhETというコロラド大学で作られたサイトですが、非常によくできています。
https://phet.colorado.edu/sims/html/circuit-construction-kit-dc-virtual-lab/latest/circuit-construction-kit-dc-virtual-lab_ja.html
 さて、実験が終わったところで、直列回路に流れる電流の関係を覚えていきましょう。
 直列回路に流れる電流の強さは、
「全て等しい」
と五文字で覚えましょう。
 なぜか。
長い文章で覚えると、印象がうすくなる
からです。
 実は、覚えるにはできるだけ短い言葉の方がいいのです。
 だから、
直列回路に流れる電流は、全て等しい
と覚えるのです。
 また、この関係を、数式で聞かれることがあります。
 数式を使って表すと
ア=イ=ウ
となります。
 「イコール」とは「等しい」という意味なので、全てイコールで結べるのは
全て等しい
という意味になります。

2 並列回路に流れる電流~極意は「和に等しい」~

 続いて、並列回路に流れる電流です。
 図のような並列回路のア・イ・ウ・エの電流を測定します。

 電流計は「0.56A」を示しています。

 電流計は「0.31A」を示しています。

 電流計は「0.25A」を示しています。

 電流計は「0.56A」を示しています。
 どうでしょうか?
 先ほどと違って、”全て同じ”ではないことがわかります。
 でも、同じ値を示しているところはあります。
 アとエ、イとウですね。
 だから、「ア=エ、イ=ウ」と考える人がいるのですが、これで覚えないようにしましょう。
 もちろん、数式の意味としては間違っていません。
 しかし、もう少し関連性はないでしょうか?
 よ~~~くみてみると
イとウを足したものは、ア(エ)に等しい
ことに気づきます。
 これがとても大切なのです。
 つまり、
アを通った電流は、途中で枝分かれしてイに向かうものと、ウに向かうものに分かれ
ます。
 そして、
合流してエを通過する
ので、
イとウを足したものは、ア(エ)に等しく
なるのです。
 ちなみに、このことを
並列回路に流れる全体の電流は、枝分かれしたところの和に等しい
といいます。
 覚えるときは、
並列回路は、和に等しい
と覚えるとよいでしょう。
 また、数式で表すと
ア=イ+ウ=エ
となります。
 「プラス」のことを日本語で「和」ということと、「イコール」は「等しい」という意味なので、
和(+)に等しい(=)
となります。

3 直列回路・並列回路を判断した後に・・・

 今回勉強した内容は2つです。
・直列回路に流れる電流の大きさは、全て等しい
・並列回路に流れる電流の大きさは、和に等しい

 このことは、問題を見て、直列回路か並列回路かを判断した後、必ず思い出してください。
 この内容が思い出せないと、この後の問題は解けません。
 それはつまり、テストでまったく点数を取れないことを意味します。
 だから、直列回路・並列回路を判断したら、
まずは「全て等しい」のか「和に等しい」のか
を思い出しましょう。

4 練習問題

 次の5枚の写真ののア~ケに流れる電流は何mAでしょうか。





 答えは
ア:200mA  イ:900mA  ウ:900mA  エ:900mA
オ:400mA  カ:300mA  キ:300mA  ク:200mA
ケ:200mA
です。
 全部できましたか?

5 最終問題の答え

 最後に、「電流計算の攻略法~最初に目標を確認すること~」の問題1(2)と、問題2(2)を解きましょう。
 問題は、こちらのページをご覧ください。
電流の計算の攻略法~最初に「目標を確認すること」こそ最も大切~
問題1(2)300mA(直列回路なので、流れる電流は”全て等しい”)
問題2(2)A:200mA、B:500mA
(A:並列回路なので、最初500mAだったものが、片側に300mA流れた。もう一方はその残りなので、500mAー300mA=200mAとなる。)
(B:並列回路なので、300mAと200mAに分かれていた電流が合流するので、300mA+200mA=500mAとなる。)

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