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炭酸水素ナトリウムの熱分解~超難問? いえいえ、実は典型的なワンパターン問題~

・炭酸水素ナトリウムの問題が解けない
・テストまでに何を勉強していいかわからない

という人の悩みを解決します。
 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
 今回は、中学2年生理科 化学変化の単元の中から「炭酸水素ナトリウムの熱分解」の問題の解き方を説明します。
 この問題を苦手にしている中学生は非常に多いです。
 その理由は
・覚えることが多いこと
・物質の名前が紛らわしいこと

です。
 そのため、「問題を見るのも嫌」という人が多いのですが、ここには重大な法則が隠れています。
 その法則とは
難しい問題ほどワンパターン法則
です。(笑)
 炭酸水素ナトリウムの熱分解の問題を数多く見ていくと、ワンパターンの問題ばかり出ていることに気付きます。
 実は、炭酸水素ナトリウムの熱分解の問題は、
パターンさえ覚えてしまえばラッキー問題になる
のです。
 今回は、テストに出てくるパターンを中心に説明していきます。
 なお、炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験の様子は、こちらをご覧ください。
https://rika-net.com/outline.php?id=00002057021f&top=1
 また、炭酸水素ナトリウムの熱分解の説明は、こちらの記事をご覧ください。

炭酸水素ナトリウムの熱分解~最初にして最大の難関!攻略のカギは”炭水ナはニ水炭ナ”~

1 例題による演習 その1

1-1 物質に関する問題

問題1 かわいた試験管①に炭酸水素ナトリウムを入れて加熱すると、試験管①に白い固体が残り、口の方に液体がたまった。また、発生した気体を試験管②に集めた。
(1) 試験管①にたまった液体を調べるために使う、青色の試験紙は何か。名前を答えなさい。
(2) (1)の青色の試験紙を試験管①にたまった液体につけると、何色になるか。また、この液体は何であると考えられるか。
(3) 試験管①に残った白い固体は、炭酸水素ナトリウムと比べてどのような違いがあるか。ア~エからすべて選びなさい。
      ア 水に溶けやすい   イ 水に溶けるとアルカリ性を示す
      ウ 刺激臭がある    エ 金属光沢がある
(4) 試験管①に残った固体は何か。名称を答えなさい。
(5) 試験管②に石灰水を入れると、どのような変化がみられるか。
(6) (4)の結果から、試験管②にたまった気体は何と考えられるか。

1-2 解答と解説(物質に関する問題)

【解答】
(1) 塩化コバルト紙
(2) 赤色、水
(3) ア、イ
(4) 炭酸ナトリウム
(5) 白くにごる
(6) 二酸化炭素

【解説】
(1) この実験に出てくる、「液体を調べる試験紙」は塩化コバルト紙のことをさします。中学校の理科ではここにしか出てこない、貴重な試験紙なので、覚えましょう。
(2) 塩化コバルト紙は水にぬれると、「赤色」になります。
(3) 加熱後の物質と炭酸水素ナトリウムを比べると「水に溶けやすく」「強いアルカリ性」になっています。
 詳しくは、こちらをご覧ください。
化学変化はなぜ難しいか~これを知れば成績が伸びる4つのポイント~
(4) 加熱後の物質は「炭酸ナトリウム」です。
 似たような名前が多い物質ですが、性質は全然違います。
 詳しくはこちらをご覧ください。
化学変化はなぜ難しいか~これを知れば成績が伸びる4つのポイント~
(5)(6) 石灰水に二酸化炭素が溶けると「白くにごり」ます。
   定番の問題なので、確実に解けるようにしましょう。

2 例題による演習 その2

2-1 実験の操作に関する問題

問題2 炭酸水素ナトリウムを加熱すると、どのような変化がるのかを調べる実験を行った。試験管①に炭酸水素ナトリウムを入れ、ガスバーナーで加熱した。また、加熱中に発生した気体を試験管②に集めた。
(1) ガスバーナーの火を消す前に行わなければならないことは何か。
(2) (1)の操作をするのはなぜか。
(3) 試験管②に気体を集めるには、何という方法で集めればよいか。
(4) 試験管①を加熱するときには、口の部分を下げる必要がある。どうして口を下に下げるのか。
(5) 炭酸水素ナトリウムが含まれているものを、ア~エから選びなさい。
ア ベーキングパウダー   イ かたくり粉
ウ 洗濯洗剤        エ もち

2-2 解答と解説(実験の操作に関する問題)

【解答】
(1) 水槽からガラス管を抜く
(2) 水槽の水が逆流するのを防ぐため
(3) 水上置換法
(4) 発生した液体の逆流を防ぐため
(5) ア(ベーキングパウダー)

【解説】
(1) この実験に限らず、加熱した試験管の先が水の中に入っているときは、加熱を終える前に、水の中から抜かなければなりません。
(2) ガラス管の先が水の中にある状態で火を消すと、試験管の中が真空状態に近くなり、水を吸い上げます。吸い上げられた水が加熱した部分にふれると、ガラスが割れることがあります。
(3) 二酸化炭素は「水に少しとける」性質があります。この実験では、少しとけてもよいので、「水上置換法」です。
(4) 試験管①の口の部分に集まってくる液体が、加熱部にふれると割れる恐れがあるので、口を下に下げて、水が流れるようにします。
(5) 炭酸水素ナトリウムは、
      重曹
      ベーキングパウダー
      ホットケーキミックス

などに含まれています。
 炭酸水素ナトリウムについては、このようなところを押さえておけばよいでしょう。
 知識としては、これで十分です。
 あとは、繰り返し解いて、身に付けていくことです。
 がんばりましょう。

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