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物体と物質の違い~中1理科ではいろいろな物を「分類」できるようになろう!~

 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上の理科教育のスペシャリストです。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわ からない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらうためにこの記事を書いています。
 本記事の内容
①中1理科の極意は「分ける」こと
②イヌとネコの置物は同じもの?違うもの?
③物体と物質について理解しよう
④物質には「化合物」と「純物質(純粋な物質)」がある

 それでは、詳細を説明していきます。

1 中1理科の極意は「分ける」こと

 最初に、中学校1年生理科で習う内容を紹介します。
 「身のまわりの物質」「いろいろな生物とその共通点」「光・音・力(身の回りの物理現象)」「大地の成り立ちと変化」の4つの内容です。
 それぞれ、全く違った内容(高校では化学・生物・物理・地学という名前になります)を学習していくのですが、ほぼすべての単元に共通していることがあります。
 なんだかわかるでしょうか?
 それは
「分類する」
ことなのです。
 例えば、「いろいろな生物とその共通点」の単元では、道端に生えている植物を分類します。動物園にいる動物を分類します。
 「身のまわりの物質」の単元では、台所にある白い粉末を分類します。金属を分類します。
 「大地の成り立ちと変化」の単元では、そこらへんに落ちている石を分類します。
 「光・音・力」の単元は、他の単元とはちょっと違っています。すでに、「光」と「音」と「力」の3つに分類されているのです。昔は、「身の回りの物理現象」という単元名でした。だから、この単元だけは
すでに分類されている現象について学んでいく
ことになります。

 「分類する」ということは
何らかのルールに従って、分けていくこと
です。
 言い換えると、
「仲間分け」をしていくことです。
 何らかの仲間に分けた後に、名前を付けていきます。

 明確な基準によって分けられたものに、名前を付けることで、共通の性質が見つかったりして、より理解が深まっていくのです。
 ということで、これから中学1年生の理科を勉強するときには「分類する」ことを頭の片隅に置いて行っていくと良いでしょう。

2 イヌとネコの置物は同じもの?違うもの?

 それでは問題です。
 下の写真のイヌとネコの置物は同じものといえますか?違うものといえますか?

 「ちょっと、何言ってんの?バカにしているの?」と思われた人もいるかと思います。
 でも、もう少しお付き合いください。
 それでは「同じもの」か、「違うもの」かどちらかを選びましたか?
 選んだら、そう考えた理由を考えてください。
 理科の勉強では、「どうしてそう考えたか」という理由を考えることが非常に重要です。
 できれば、ノートや紙に書いて、跡で振り返れるようにしておくといいですね。

 「こんな問題、全員が同じ答えになるはずだ!」と思っている人もいるかと思います。
 しかし、私の経験から、クラス全員が同じ答えになることはほとんどありませんでした。
 なぜか?
 イヌとネコを「違うもの」と考えた人の理由はだいたいこのようになります。
イヌとネコは見た目からして違う
 「なるほど」と納得できる理由ですね。
 しかし、理科の面白いところは全員が同じ答えにならないことにあります。
 イヌとネコは「同じもの」と考えた人は、だいたい次のような理由を口にします。
どちらも同じ材料でできていそうだから
と。
 納得の理由です。
 面白いですね。全く同じものを見ているのに、「違うもの」と考える人と、「同じもの」と考える人がいるんですね。
 なぜそのようなことが起こるのかというと
人により、ものを見る観点が違う
からです。
イヌとネコを「違うもの」と考えた人は「形や使い方」に注目している
し、
イヌとネコを「同じもの」と考えた人は「材料」に注目している
のです。
 観点が違うと結論が全く異なるのす。
 なお、このイヌとネコは3Dプリンターを使って私がつくったものです。
 3Dプリンターにはいくつかの種類があるのですが、私が使ったのは針金のようなプラスチックを高温で溶かして、下からグルグルとつくっていくタイプのものです。
 つくっている途中のネコの写真をご覧ください。

 このようにしてプラスチックを溶かして、固めて、下からじっくりとつくっていったのです。
 ちなみに、イヌは3時間、ネコは5時間かかりました。
 だから答えは
違うものともいえるし、同じものともいえる
となって、どちらの答えを選んでも正解なのです。

3 物体と物質について理解しよう

 「着目する点が違うと分け方が変わる」ことが分かったところで、着眼点の違いに名前をつけましょう。
 「(ものの)使い方や形に注目した」ときは、「物体として見た」といえます。
 逆に、「(ものの)材料に注目した」ときには、「物質を考えた」といえます。
 ここで、「物体」と「物質」が教科書でどのように説明されているかまとめておきましょう。
物体・・・ものを用途や形に着目して区別する場合、そのものを物体という
物質・・・ものをつくっている材料に着目して区別する場合、その材料を物質という
 おそらく、テストでそのまま出ることはないと思われるので丸暗記する必要はありませんが、内容は必ず理解しておきましょう。

4 物質には「混合物」と「純物質(純粋な物質)」がある

 最後に、物質はさらに大きく2つに分けられることを知りましょう。
 それは「混合物」と「純物質(純粋な物質)」です。
 どのようなものか、教科書の説明を読んでみましょう。
混合物・・・いくつかの物質が混ざり合った物質。(例)砂糖水、食塩水、空気、海水など
純物質・・・1種類の物質でできているもの(例)酸素、水など

 基本的に中学校の理科では「純物質」に注目してその性質を学んでいきます。
 けれど、身のまわりには純物質よりも混合物の方が多くあります。

 今日のまとめです。
・「物体」に注目するか、「物質」に注目するかによって、「同じもの」と考えることもできるし、「違うもの」として考えることができる。
・物質はさらに「混合物」と「純物質(純粋な物質)」に分けることができる。

 最後までお読みいただきありがとうございました。
 それでは、さようなら。
 次回もぜひ見てくださいね。

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