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鉄と硫黄の化合の問題~実験は嫌いな人が多いけど、化学反応式を書ける人は多い問題~

・鉄と硫黄の問題が解けない
・テストまでに何を勉強していいかわからない

という人の悩みを解決します。
 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
 今回は、中学2年生理科 化学変化の単元の中から「鉄と硫黄の化合」の問題の解き方を説明します。
 この問題は炭酸水素ナトリウムや水の電気分解の問題に比べて、抵抗感を持っている人が少ないです。
 その理由は
・物質の名前が覚えやすいから
・化学反応式で係数合わせをする必要がないから

 ただし、油断は禁物です。
誰もが解きやすい問題は、間違えると差が付きやすい問題
だからです。
 でも、鉄と硫黄の化合の問題も、いくつかのパターンが決まっています。
 よく出るパターンを中心にテスト対策を行っていくと、効率よく勉強を進めることができます。
 今回は鉄と硫黄の化合の問題を、「物質に関する問題」と「実験操作に関する問題」に分けて説明しています。
 問題を解く前に、基本的な内容をおさらいしたい人は、こちらをご覧ください。

鉄と硫黄の化合~テスト再頻出問題!攻略のカギは五・七・五で覚えること~
 また、鉄と硫黄の化合の実験の様子は、こちらをご覧ください。

https://rika-net.com/outline.php?id=00002056001g&top=1

1 例題による演習 その1

1-1 物質に関わる問題

問題1 鉄粉7gと硫黄の粉末4gを乳鉢に入れてよく混ぜ合わせ、2本の試験管A,Bに分けた。その後、試験管Aは、混合物の上の方を加熱し、反応が始まったら加熱をやめた。また、Bは加熱しなかった。
(1) 試験管Aが冷えた後、A、Bの試験管に磁石を近づけた。磁石につくのはA,Bのどちらか。また、それは試験管の中に何という物質があるからか。
(2) 磁石についた試験管に、うすい塩酸を加えると、においの無い気体が発生した。この気体は何か。
(3) 試験管A、Bにうすい塩酸を加えた。特有のにおいがある気体が発生したのはA,Bのどちらか。
(4) 塩酸を入れたときに発生した、特有のにおいのある気体は何か。
(5) 鉄と硫黄が結びついた物質を何というか。物質名と化学式を書きなさい。
(6) この実験で、試験管A内でおこった化学変化を、化学反応式で書きなさい。

1-2 解答と解説(物質に関わる問題)

【解答】
(1) 試験管B、鉄
(2) 水素
(3) 試験管A
(4) 硫化水素
(5) 硫化鉄、FeS
(6) Fe + S → FeS

【解説】
(1) 鉄は磁石につきます。加熱前の混合物には鉄が残っているので、磁石につきます。
    また、鉄と硫黄を混ぜて加熱した物質は磁石につきません。
    だから、磁石に試験管Bがくっつきます。
(2) (1)で説明したように、磁石についた試験管には、鉄が入っています。
    鉄と塩酸(金属と塩酸)が反応すると、水素が発生します。
    だから、水素が発生しました。
(3)(4) 硫化鉄の入った試験管に塩酸を入れると「硫化水素」という気体が発生します。
       「硫化水素」は腐卵臭の気体で、有害です。
       粋すぎると死ぬこともあるので、気をつけましょう。
       なお、硫化鉄と塩酸の反応は次のような化学反応式で表すことができます。
       FeS + 2HCl → FeCl + H
(5) 鉄と硫黄が結びついた物質を「硫化鉄」といいます。
    化学式はFeSです。
(6) 最初から右辺と左辺の原子の種類と数があっているので、係数あわせをする必要はありません。

2 例題による演習 その2

2-1 実験操作に関わる問題

問題2 鉄7.0gと硫黄4.0gの混合物を2つに分けて試験管①②に入れ、試験管②だけを加熱した。
(1) 試験管②の混合物を加熱するとき、試験管のどの部分を加熱するか。ア~エから選びなさい。
       ア 混合物が入っている下の方   イ 混合物が入っているところの真ん中
       ウ 混合物が入っている上の方   エ 混合物がない部分
(2) 試験管②を加熱していくと、混合物が赤くなった。このとき、加熱をやめるとどうなるか。
(3) (2)のようになるのはなぜか。

2-2 解答と解説(実験操作に関わる問題)

【解答】
(1) ウ 混合物が入っている上の方
(2) 反応が続く
(3) (鉄と硫黄の反応によって)発生した熱によって次の反応が続くから

【解説】
 最初は反応させるために熱が必要ですが、一度反応すると熱を発し続ける「発熱反応」です。
(1) 化学変化の発熱によって試験管が割れるおそれがあるので、試験管に入っている混合物の上の方を加熱します。
(2)(3) 化学変化が起こると、その熱で次の反応が起こります。このような化学変化を「連鎖反応」といいます。

 炭酸水素ナトリウムの熱分解や水の電気分解に比べて、覚えることが少なく、わかりやすい問題になることが多いです。
 とはいえ、化学反応式は覚えていないとテスト時間に間に合わなくなることもあるので、しっかりと覚えておきましょう。

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