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電気エネルギーと電力・熱量・電力量2~高校入試の再頻出問題、「電力と電力量って何が違うの?」という疑問が解消する!~

・電力・熱量・電力量の意味がわからない
・熱量と電力量の違いがわからない
・電力・熱量・電力量の計算がわからない

という悩みを解消します。
 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
 今回は、中学2年生理科 電流分野から、「電力」「熱量」「電力量」を求める問題について説明します。
 今回説明する「電力」「熱量」「電力量」は電流の中でも、高校入試に一番出題される問題です。
 特に、「電力」と「熱量」と「電力量」について
何が違うの?
という疑問を持つ人が少なくありません。
 今回はこのようなところも含めて、説明していきます。
 なお、電力についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、ご覧ください。
電気エネルギーと電力・熱量・電力量①~高校入試の再頻出問題、まずは電力についてゆっくり理解しましょ ポイントはオームの法則との・・・~

1 電力量と電力は何が違うの?

 最初に、電力と電力量の違いについて学んでいきましょう。
 前回の記事でも説明しましたが、電力の意味についておさらいしましょう。
電力・・・1秒間当たりに消費される電気エネルギー
でしたね。
 「1秒間」がキーワードです。
 では、今度は電力量の定義を見ていきましょう。
電力量・・・消費された電気エネルギーの大きさ
です。これは覚えましょう。
さて、ここで問題です。
電力の説明に使われて、電力量の説明に使われていない言葉は何ですか?
 わかりますか?わからない人は、2つの言葉の定義をよく読み直してください。
 そうです!「1秒間当たりに」です。
 つまり、電力と電力量は基準となる「時間」が違うのです。
 だから、電力量を求める公式は、電力に時間をかけたものになります。
電力量(J)=電力(W)×時間(秒)
となります。
 電力は瞬間の電気エネルギー、電力量は一定時間使ったときの電気エネルギーと言うことができます。
 なお、電力量の単位には「J(ジュール)」を使います。
 3年生で習うのですが、このJはエネルギーの単位です。
 つまり、電力量というのは、
放出される電気エネルギーの量
と言い換えることができるのです。
 覚えておくと、ちょっと得するかもしれませんね。

2 コンビニの電子レンジが早く温まるわけ

 皆さんは、コンビニでお弁当やおにぎりを温めてもらったことはありますか?おそらく、ほとんどの人が経験していると思います。
 では、コンビニのお弁当を自分の家の電子レンジで温めたことはありますか?

 コンビニのお弁当やおにぎりには電子レンジの目安の時間が書かれています。
 だいたい「1500Wで30秒」とか「500Wで1分30秒」などと書かれています。
 実際に家で温めてみると、コンビニで温めるよりも時間がかかります。
 特に、ラーメンなどを温めると5分以上かかることもあり、「麺がのびちゃうんじゃないか?」とイライラすることもあります。(これって私だけ?)
 でも、温め終わったものの温度はだいたい一緒です。これはどうしてでしょうか?
 実は、このコンビニと家の電子レンジの時間の差は、今回勉強する電力や電力量の話そのものなのです。
 コンビニの電子レンジは、1500Wのものが多く使われています。一方、家の電子レンジは、500Wや600Wのものが主流です。

 話をわかりやすくするために、今回は500Wの電子レンジで説明を行っていきます。
 電力は、電気器具の能力を表します。
 だから、1500Wの電子レンジは、500Wの電子レンジの3倍の能力を持っていることになります。
 1秒間に1500Wもの電力(電気エネルギー)を放出します。
 それでは、先ほど例として挙げた「1500Wで30秒」お弁当を温めた場合、消費される電力量は何Jになるでしょうか?
 電力が1500W、時間が30秒なので、
電力量(J)=電力(W)×時間(秒)
に代入して
1500(W)×30(秒)=45000(J)
となり、答えは45000Jとなります。
 もう一つ、計算しましょう。
 家庭にある500Wの電子レンジで温める場合、つまり「500Wで1分30秒」温める場合の電力量を計算します。
公式は
電力量(J)=電力(W)×時間(秒)
なので、時間の単位を「秒」にしてから計算するのがミソです。
 1分30秒は90秒なので、
500(W)×90(秒)=45000(J)
となり、答えは45000Jとなります。
 先ほどの1500Wの電子レンジで温めたときの電力量と比べてみましょう。
 どちらも同じですね。
 つまり、家にある電子レンジはコンビニのものよりも時間はかかりますが、同じだけの電力量を放出していたのです。
 だから、温まったお弁当の温度は大体同じになるのです。

3 計算に慣れよう

 それでは、計算問題を解いて、実践力を高めていきましょう。
問題1 お弁当を500Wの電子レンジで30秒温めるとちょうどよい温度になった。1500Wの電子レンジで同じ温度にするには、何秒温めればよいか。
問題2 お弁当を1500Wの電子レンジで1分間温めると食べごろの温度になった。600Wの電子レンジで温めるには、何秒温めればよいか。

 みなさんも、実際に解いてみましょう。
 間違ってもいいので、一度自分の頭で考えることが大切です。
 問題が解けたり、5分考えてもわからない場合は下に書いてある【解答】と【解説】を読んでください。
【解答】
問題1 10秒
問題2 150秒(2分30秒)

【解説】
問題1 500Wの電子レンジで30秒温めた温度と、1500WでX秒温めた温度が等しくなるので、
    500(W)×30(秒)=1500(W)×X(秒)
    1500X=15000
    X=10
    よって、10秒となる。
問題2 1500Wの電子レンジで1分(60秒)温めた温度と、600WでX秒温めた温度が等しくなるので、
    1500(W)×60(秒)=600(W)×X(秒)
    600X=90000
    X=150
    よって、150秒(2分30秒)となる。
いかがでしたか?
 「電力」「電力量」と似たような名前ですが、電子レンジの利用で考えてみるとわかりやすかったと思います。
 これから、コンビニでお弁当を温めてもらうときには、自分の家では何分くらいかかるか計算してみると面白いと思います。
 コンビニの電子レンジは1500Wのものが多く、家庭の電子レンジは500Wのものが多いので、コンビニで温めた時間を3倍すると家での時間を求めることができます。

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