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電流計の使い方~誰も教えてくれなかった?電流計を使いこなす、2つの極意~

・電流計のつなぎ方がわからない
・電流計の目盛りが読めない

という悩みを解消します。
 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
 今回は、中学2年生理科 電流分野から、「電流計の使い方」について説明します。
 電流計って難しいですよね。
 つなぎ方も難しいし、目盛りの読み方もわかりにくい。直列回路と並列回路の電流になると・・・。という人が多いでしょう。
 そこで今回は、写真を多く利用して、電流計の使い方をわかりやすく説明していきます。

1 電流計のつなぎ方~極意は1度導線を取り払うこと~

 電流計を使って回路の電流を測ったことはありますか?
 おそらく、ほとんどの中学2年生が経験しているでしょう。
 しかし、電流計の理解度はそれほど高くありません。
 実験のときには、教科書を見ながらできるので、教科書を写真をそのまま組み立てていけば計ることができます。
 しかし、テストのときは教科書を見ることができないので、間違えてしまうのです。
 まずは、手順をおさらいしましょう。
①回路をつくり、電球が点灯することを確かめる。
②測定しようとする部分に、電流計を直列につなぐ。(ー端子は最初、5Aにつなぐ)
③つなぎ方が正しいことを確かめてからスイッチを入れ、指針の示す値を読み取る。
④指針がほとんど触れない場合は、―端子を500mAにつないで測定する。
⑤50mA以下の場合は、50mAのー端子につないで測定する。

 続いて、写真で紹介していきます。
 直列回路を例として、電流計のつなぎ方を説明します。
写真1

 最初に、直列回路を組み立てましょう。このとき、電流計は使いません。横に置きましょう。
 最初に回路を組み立てておくのは必要なことです。電球が切れていたり、電池が弱っていたりします。そうすると、正確な値はでません。
 常によい状態で実験するようにしましょう。
写真2

 次に、
電流計で図りたいところの導線をはずします。
写真3

 そして、
導線をはずしたところに、電流計をつけ
ます。
 このとき、+とーを間違えないようにしましょう。赤が+です。
 このようにつなげていくと、間違えることはほとんどありません。
 また、次のような問題も同じ手順で解くことができます。

問題1
 次の図1・図2のA点の電流を測定できるように、回路を完成させなさい。
 ただし、電流計の赤い端子は+端子である。
図1

図2

【解答と解説】
図1
 最初に、電流計をつながない、直列回路をつくります。

 次に、電流計をつなぎたいところの導線を消します。

 最後に、導線をはずしたところに、電流計をつなぎます。
 このとき、+とーを間違えないように注意します。

図2
 最初に、電流計をつながない、並列回路をつくります。

 次に、電流計をつなぎたいところの導線を消します。

 最後に、導線をはずしたところに、電流計をつなぎます。
 このとき、+とーを間違えないように注意します。

 なお、パソコン上で、シュミレーションしてみたい人にはこちらのサイトをお薦めします。
 PhET(フェット)というサイトですが、とてもよくできています。
https://phet.colorado.edu/sims/html/circuit-construction-kit-dc-virtual-lab/latest/circuit-construction-kit-dc-virtual-lab_ja.html

2 電流計の目盛りの読み方~極意は数字3つ~

 続いて、電流計の目盛りの読み方を説明します。
 電流計にはー端子が3つあるので、どの端子につないているかによって、目盛りの読み方が変わってきます。
 3パターンの目盛りが書いてある電流計がほとんどなので、昔よりは読みやすくなっていますが、注意するべきことは2つです。
・つないでいる―端子の目盛りを読んでいるかどうか
・一番小さい目盛りの、10分の1まで読み取る

実際に問題を解いてみましょう。
問題1 電流計の指針(緑色の棒)が指す値を読み取りなさい。

①5Aのー端子につないだ時
②500mAの―端子につないだ時
③50mAの―端子につないだ時

【解答と解説】
①【解答】2.00A
【解説】5Aにつないでいるので、一番右の目盛りが5Aになります。
    また、一番小さい目盛りは10分の1Aなので、その10分の1まで読み取ります。
②【解答】200mA
【解説】500mAにつないでいるので、一番右の目盛りが500mAになります。
    また、一番小さい目盛りは10分の1Aなので、その10分の1まで読み取ります。
③【解答】20.0mA
【解説】50mAにつないでいるので、一番右の目盛りが50mAになります。
    また、一番小さい目盛りは10分の1Aなので、その10分の1まで読み取ります。
    ここまで読んで、気づいたでしょうか?
答えは全て数字3ケタになっている
ことに。
 一番小さい目盛りの10分の1まで読み取るのは、理科の器具を使うときの約束で、電流計を使うときも同じです。
 このことで混乱する中学生は多いのですが、電流計の目盛りは決まっているので、
電流計の目盛りを読むときは、数字を3つ書く
と覚えておけば、間違えありません。
 もう1問解いてみましょう。
問題2 電流計の指針(緑色の棒)が指す値を読み取りなさい。

①5Aのー端子につないだ時
②500mAの―端子につないだ時
③50mAの―端子につないだ時

【解答と解説】
①【解答】2.50A
【解説】5Aにつないでいるので、一番右の目盛りが5Aになります。
     また、一番小さい目盛りは10分の1Aなので、その10分の1まで読み取ります。
②【解答】250mA
【解説】500mAにつないでいるので、一番右の目盛りが500mAになります。
     また、一番小さい目盛りは10分の1Aなので、その10分の1まで読み取ります。
③【解答】25.0mA
【解説】50mAにつないでいるので、一番右の目盛りが50mAになります。
    また、一番小さい目盛りは10分の1Aなので、その10分の1まで読み取ります。
 最初に書いたとおり、電流計の使い方はかなり難しいです。
 先生にとっては、「簡単に問題ができて、生徒が間違えやすい」理想的な問題です。
 だから、しっかりと対策してテストに臨みましょう。
難しい問題はワンパターン
の典型的な例です。
 次回は、回路に流れる電流について説明します。
 なお、この記事が、電流の問題のどこに位置しているかについては、こちらを参考にしてください。

電流の計算の攻略法~最初に「目標を確認すること」こそ最も大切~

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