・「電流」「電圧」「抵抗」を求める問題の解き方がわからない
・高校入試まであと2週間で、何とか電流が解けるようになりたい
・定期テストまでにオームの法則が解けるようになりたい
という悩みを解消します。
こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
今回は、中学2年生理科 電流分野から、「電流」「電圧」「抵抗」(一部、「電力」「電力量」もあります)を求める実践問題について説明します。特に今回は、高校入試や定期テスト前に勉強しておくと良い問題をそろえました。
なお、応用問題のレベル1~レベル4は前回の記事で紹介していますので、まだ見ていない方はこちらをご覧ください。
【中学理科応用問題】「電流」「電圧」「抵抗」に関する応用問題①~応用問題は、順序だてて考えることで答えが見えてくる~
【中学理科応用問題】「電流」「電圧」「抵抗」に関する応用問題②~極意は、「困ったときは、グラフを見よ」~
実践問題1 次の図1のように抵抗aに加える電圧を変えて、流れる電流の強さを測定しました。次に、抵抗aを抵抗bにかえて同じように実験を行いました。図2はその結果をグラフに表したものです。図3は抵抗a,bを直列につないだもので、図4は抵抗aに値の分からない抵抗cを並列につないだものです。
図1
図2
図3
図4
(1) 図2のグラフから、抵抗a,bのうち、電流が流れやすいのはどちらですか。
(2)抵抗aの抵抗の値は、抵抗bの抵抗の値の何倍ですか。
(3)図3で、回路全体の抵抗は何Ωになりますか。
(4)図3で、電源の電圧を6Vにすると、回路全体に流れる電流は何Aになりますか。
(5)図4で、電源装置の電圧を6Vにすると、回路全体を流れた電流は900mAでした。抵抗cの値は何Ωですか。
それでは、やってみましょう。
これまでの記事を読んでいれば、全部できるはずです。
もしも、「どうやっていいかわからない」問題があったら、答えを見てからこれまでの記事を振り返っておきましょう。テストのときには解けるように、必ず振り返りましょう。
それでは解答と解説です。
【解答】
(1) a、
(2) 2倍
(3) 60Ω
(4) 0.1A
(5) 10Ω
【解説】
(1) グラフを見ると、同じ電圧でも抵抗aの方が流れる電流が大きいことがわかります。だから、抵抗aの方が電流が流れやすいと言えます。
(2) 例えば、電圧が4Vのときに抵抗aは200mA、抵抗bは100mAになります。だから2倍違うことがわかります。
(3) 抵抗aは4Vの電圧で0.2A(200mAは0.2A)の電流が流れる。
E=IRに代入すると
4=0.2R
R=20Ω
抵抗bは4Vの電圧で0.1A(100mAは0.1A)の電流が流れる。
E=IRに代入すると
4=0.1R
R=40Ω
2つの抵抗が直列につながっているので、
20+40=60
よって答えは、60Ωになります。
(4) 電源の電圧が6Vで、全体の抵抗は60Ωです。
E=IRに代入すると
6=60I
I=6÷60=0.1
答えは0.1Aになります。
(5) 電源装置の電圧が6Vなので、抵抗aには6Vの電圧がかかっています。
ということは、抵抗aに流れる電流は
6=20I
I=6÷20=0.3
となり、0.3A=300mAになります。
ということは、抵抗cには300(mA)+X(mA)=900(mA)
X=900-300=600(mA)
の電流が流れています。
つまり、抵抗cには、6Vの電圧がかかって、0.6A(600mAは0.6A)の電流が流れているので、E=IRに代入すると
6=0.6R
R=6÷0.6=10
となって、答えは10Ωになります。
続いて、実践問題2です。
実践問題2
電流と電圧がグラフのような関係になる抵抗Xと抵抗Yを使って、図1,図2のような海路を作りました。電源の電圧をそれぞれ3Vにしてスイッチを入れると、図1の電流計は0.1A、図2の電流計は0.45Aを示しました。次の問いに答えましょう。
(1)抵抗を流れる電流の大きさと、加える電圧の大きさには、どのような関係があるか。また、そのような関係になることを何の法則といいますか。
(2)図1,図2の電圧計は、それぞれ何Vを示しますか。
(3)図1、図2の抵抗の電力の大きさを、大きい順に並べるとどうなりますか。次のア~エから選び、記号で答えましょう。
ア 図1のX>図1のY>図2のY>図2のX
イ 図2のX>図2のY>図1のY>図1のX
ウ 図1のY>図1のX>図2のY>図2のX
エ 図2のY>図2のX>図1のY>図1のX
(4)図2の回路で、1分間電流を流したときの抵抗Xの電力量は何Jですか。
それでは、やってみましょう。
もしもわからなかったとしても、何か書くことが大切です。高校入試や定期テストでもしかしたら何点かもらえるかもしれません。
無回答と、何か書いて間違えるのは同じ0点ですが、内容が違います。
何か書く人の方が、絶対に後々伸びてきます。
それでは、解答と解説です。
【解答】
(1) 比例、オームの法則
(2)図1:2V、図2:3V
(3)イ
(4) 54J
【解説】
(1)
「原点を通る直線」のグラフになっているので、「比例」です。
また、電圧と電流の大きさが比例することを「オームの法則」といいます。
(2)
図1は直列回路なので、流れる電流の大きさは全て等しくなります。
電流計は0.1Aを示している(問題文からわかる)ので、グラフから抵抗Yに0.1Aの電流が流れるのは、2Vのときであることがわかります。
図2は並列回路なので、電圧は全て等しくなります。
問題文から、3Vの電圧をかけたことがわかるので、電圧計の値は3Vになります。
(3)
図1の抵抗Xが消費する電力:
図1は直列回路です。問題文から全体の電圧が3V、(2)の問題から抵抗Yには2Vの電圧がかかっているので、抵抗Xには1Vの電圧がかかることがわかります。
1Vの電圧のとき0.1Aの電流が流れるので、
1(V)✕0.1(A)=0.1(W)
よって、0.1Wになります。
図1の抵抗Yが消費する電力:
(2)から、抵抗Yには2Vの電圧がかかり、グラフから2Vのとき0.1Aの電流が流れるので、
2(V)✕0.1(A)=0.2(W)
よって、0.2(W)となります。
図2の抵抗Xが消費する電力:
図2は並列回路なので、抵抗Xにかかる電圧は電源装置と同じ3Vになります。
グラフから、抵抗Xに3Vの電圧がかかるときには、0.3Aの電流が流れることがわかります。
3(V)✕0.3(A)=0.9(W)
よって、0.9Wとなります。
図2の抵抗Yが消費する電力:
図2は並列回路なので、抵抗Yにかかる電圧は電源装置や抵抗Xと同じ3Vになります。
グラフから、抵抗Yに3Vの電圧がかかるときには、0.15Aの電流が流れるので、
3(V)✕0.15(A)=0.45(W)
よって、0.45Wとなります。
以上より、大きい順に並べると
図2のX、図2のY、図1のY、図1のX
となり、イが正解になります。
(4)
(3)から、図2の抵抗Xは1秒間に0.9Wの電力を消費することがわかりました。
問題文から1分間電流を流したことがわかるので計算は、
0.9(W)✕60(秒)=54
よって答えは、54Jになります。
いかがでしたか?
少しでも自分の力で解けるようになった
前よりも早く解けるようになった
という実感があれば幸いです。
これくらいの難易度の問題が解けるようになっていれば、定期テストはもちろん、高校入試でもほとんどの問題が解けるようになっているようです。
本番に向けてがんばってください。