「生物の発生の様子を生徒に見せたいけど、いい教材がない」と悩んでいる先生方、
「生物の発生と有性生殖の違いがわからない」という中学生たち
の疑問に答えます。
結論は、
「メダカの卵を観察する」
ことです。
本記事の内容です。
1 メダカの卵の発生が観察にちょうど良い理由
2 メダカの卵の発生の様子
3 「発生と有性生殖の違いは何?」~間違えやすい言葉の覚え方~
こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらうためにこの記事を書いています。
中学校3年生で学習する「生殖」の単元って、観察や実験が少なと思いませんか?
今年度発行された教育出版社の教科書でいうと、設定されている観察は「細胞分裂の観察」だけです。
20時間くらいかけて学習する内容で、実験が1つしかないというのは超少ないです。
(昨年度まで掲載されていた「花粉管の観察」は発展的な課題として掲載されています。また、「実習」としてメンデルの実験のモデル実験をやることになっています。)
理科はやはり、実験や観察があってこその教科です。
教科書に掲載されている実験の他にいろいろな実験や観察を行って、自然現象の理解を深めたいところです。
そこで、今回提案するのが
メダカの卵の観察
です。
やり方は簡単。
まず、メダカの卵を用意してペトリ皿に入れます。
その後、普通の顕微鏡で観察すれば、メダカの発生の様子が観察できます。
さらに、この観察をおすすめする理由はこれです。
この単元の学習時期と、メダカの産卵時期と重なる
のです。
メダカは水温が18℃以上、日照時間が12~13時間以上の環境で産卵します。
その条件がそろうのがちょうど4月頃から10月ごろまでです。
生殖の単元は4月から6月ごろに学習する学校が多いので、メダカの卵の発生時期とちょうど重なります。
観察のやりやすさとあわせて、時期もちょうど良ければ、観察をしない理由はありません。
生物の発生の授業では、メダカの発生を観察しよう
と声を大にして言います。
それでは、実際にメダカの発生を見てみましょう。
映像1
それでは、生物の発生で覚えるべき言葉を紹介します。
生殖細胞・・・卵と精子のように、生殖のためにつくられる細胞(このほかに、精細胞と卵細胞があります)
受精・・・精子の核と卵の核が合体する過程
胚・・・受精卵が細胞分裂を行っているもの。自分で食物をとり始めるまでの段階をいう
発生・・・受精卵が胚をへて成体になるまでの過程
生殖・・・自らと形や性質が同じ子をつくるはたらき
有性生殖・・・受精によって子をつくる生殖
けっこう、多いですね。
この中で、「違いがよくわからない」と中学生がよく言うのが、「発生」と「生殖」です。
違いは何でしょうか?
それは、
生殖が「子」をつくることに対して、
発生は「成体」になるまでの過程
であるということです。
「成体」とは大人ということなので、大人になるまでの期間が「発生」なのです。
こう考えると、違いが判るでしょう。
「発生」と「生殖」の違いが分かれば、その他の言葉は理解しやすいと思います。
発生の授業では、メダカの卵の観察を行って、楽しく勉強しましょう!
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