こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
これから、数回に分けて、日本の四季の天気の特徴について説明していきます。
日本の四季の天気の特徴を知るには、「風の吹き方」について理解することが必要です。以前にお話しした「空気の流れと水の変化が分かれば天気はわかる」のうち、空気の流れに関する部分です。
もうすでに、自信があるというひとは、こちらをお試しください。海風・陸風に関する問題が出てきます。
https://scratch.mit.edu/projects/456365576/
地球は自転(地軸を中心とした回転のこと:詳しくは中学3年生で学習します)しています。
そのため、日本の上空では強い西風(西から吹いてくる風)が吹いています。
余談ですが、この海外旅行に行くと、この偏西風の影響を感じることができます。
例えば、日本から西側にある国(ヨーロッパ、韓国など)に行くときは、偏西風に逆らって進みます。
そのため、飛行機は余分に燃料を使うし、時間もかかります。確か、フランスに行ったときは14時間以上かかったと思います。
しかし、逆に東側の国に移動するとき。偏西風に乗ることができます。
そのため、飛行機の燃料は少なくて済むし、飛行機が早く進むので時間も短くなります。フランスから日本に帰ってくるときは12時間かかりませんでした。
この2時間の差はかなり大きいです。
疲れ方が全く違います。たまたま、旅行につかれて帰ってくるときの方が短かったので、楽に感じましたが、逆だったら・・・。
それはともかく、日本列島の上空には「偏西風という強い西風が吹いている」ということを覚えておいてください。
ところが、偏西風が吹くのは日本のかなり上空です。すごく高いところで吹いているのです。
そのため、偏西風の下ではけっこういろいろな方向から風が吹いています。
日常を思い出してもそうですよね?1年中、同じ方向から風が吹いているところは、日本中どこを探してもないはずです。
朝と夜で違ったり、l夏と冬で違ったり…。いろいろな方向から風って吹きますね。これがミソなのです。
つまり、
偏西風は吹いているけど、その下には別の風がある
のです。
その代表的なものが「季節風」なのですが、季節風については次回説明します。
というのも、季節風がなぜ吹くかを理解するには、陸と海との温まり方の違いを理解する必要があるほか、日本の地理的条件(西側にユーラシア大陸があり、東側に太平洋がある)ことを考えなければならないからです。
今日は、季節風を理解するための土台になる「陸風」と「海風」について考えていきましょう。
こんな経験はないでしょうか?
真夏の晴れた日、車に直射日光が当たっていました。
あなたは、何気なくボンネットに手を触れて・・・・「あちっ!」
真夏の車のボンネットは60℃くらいになることがあるそうですので、とても熱いです。
無意識にさわると、やけどしないまでも相当驚くはずです。
しかし、同じ日に、同じように直射日光に当たっているプールの水の中に足を入れると・・・少なくとも車のボンネットよりは冷たいはずです。
「そんなのあたりまえじゃん・・・・」と思った人もいるかと思います。しかし、この「あたりまえ」を詳しく考えていくのが理科の面白さなのです。
「あたりまえじゃん、面白くない」と言わずに、もう少し説明に付き合ってください。
真夏の昼間に車のボンネットが熱くて、プールの水が冷たいのは「水よりも金属の方が温まりやすいから」です。
逆に、真夏の夜のことを考えてみましょう。
車のボンネットはもう熱くないはずです。しかし、(あまり経験はないかもしれませんが)プールの水はほのかに温かいはずです。
昼間はボンネットの方が熱かったのに、夜はプールの水の方が温かかったのはなぜでしょうか?
それは、「水よりも金属の方が冷めやすいから」です。
そして、土も金属ほどではありませんが、「水よりも温まりやすく、冷めやすい」という特徴を持っています。
ちなみに、高校になるとこの現象は「熱容量(”ねつよーりょー”と読む)」という言葉を使って説明されます。詳しくは高校で勉強してください。
まとめると、
土は温まりやすく、冷めやすい
水は温まりにくく、冷めにくい
のです。
土の方が水よりも温まりやすいことで、風が生じます。特に、海岸付近の地域で、この風は発生します。
夏の晴れた日に、太陽が照っていると陸の方の気温が上がります。
気温が上がると、空気が暖められて、上昇気流が生じます。
上昇気流が生じると、陸上の空気が少なくなっていくので気圧が下がります。つまり、低気圧になります。
これに対して、海上の空気はそれほど温まらないので、陸に比べて高気圧になります。
風は「高気圧から低気圧に向かって吹く」
ので、夏の晴れた日の昼間は海から陸に向かって風が吹くことになります。
この時の風を「海風」といいます。
風の名前の法則を教えます。
それは
風は吹いてくる方向の名前を付ける
のです。
続いて、夜の風について考えていきましょう。
夜になると(あたりまえですが)太陽は出ていません。
つまり、陸も海も温めるものがなくなったことになります。
すると、どちらも冷めていくのですが、このとき、、冷め方が違います。
先ほども書いたように
陸の方が海よりも冷めやすい
ので、今度は海の方が温かくなります。
すると、温かい海の上には上昇気流が発生します。上昇気流が発生すると、空気が少なくなるので気圧が下がります。
つまり、海の上に低気圧が発生するのです。
逆に、陸は冷たいので下降気流が発生し、高気圧となります。
風は高気圧から低気圧に向かって吹くので、
夜の風は陸から海に向かって吹く
ことになります。
陸から吹いてくる風なので、「陸風」と言います。
まとめると
海岸付近のよく晴れた夏には
昼間は海風が、夜は陸風が吹く
のです。
教科書には書いていないのですが、陸風から海風へ、または海風から陸風に変わるときに無風になります。
これを「凪」といいます。
今回の内容も、いずれYoutubeやscratchにもリンクできるようにして勉強しやすくします。
随時追加していくので、そちらもご覧ください。
それでは、今日はここまでにします。
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