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電解質と非電解質~海の水は電気をよく通す?の理由 電気の通り方で物質を分類することができる~

「電解質と非電解質って何?」
「イオンが全く分からないから、最初から詳しく解説してほしい」

という疑問や要求を持つ中学生の疑問を解決します。
 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上の理科教育のスペシャリストです。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらうためにこの記事を書いています。
 本記事の内容
①海水は本当に電気を通しやすいのか
②水溶液が電気を通すか調べてみよう
③水に溶けると電気を通す物質(電解質)と水に溶けても電気を流さない物質(非電解質)には何があるのか?

 それでは、詳しい説明を書いていきます。

1 海水は電気を通しやすい?は本当か

 こんな話を聞いたことはないでしょうか?
水道水は電気を通しにくいけど、海水は電気を通しやすい
と。おそらく、ほとんどの人が一度くらいは聞いたことがあると思います。
 でも、どうして海水は電気が通しやすいのでしょうか?実験をして、確かめたことがある人はほとんどいないと思います。
 ・・・ということで、実験してみましょう。
 実験器具の作り方です。
 太いコードを用意して、写真のように加工してみましょう。 

 それほど難しくないはずです。できましたか?
 次に、電源装置とスイッチ、電流計、豆電球(電子オルゴール)を用意して写真のような回路をつくります。

 電源装置がないときは、乾電池を2個直列つなぎにするとよいでしょう。
 また、電流計やスイッチはなくてもかまいません。
 絶対にほしいのは電子オルゴールですが、なければ豆電球などでも代用できます。
ただし、豆電球はけっこう電圧をかけないと光らないので、注意してください。
このコードの下の部分を水溶液に入れます。
電流が流れる水溶液だと、回路がつながって電流が流れます。電流が流れたことがわかる工夫(例えば、電子オルゴールをつないでおく、豆電球をつないでおくなど)をしておくと、水溶液に電気が流れるかどうかがわかります。
 電流計があれば、電流計の指針を見るのも良いでしょう。
 次に、水溶液を用意します。
 色々な水溶液があればいいのですが、今回は、「塩酸(塩化水素の水溶液)」「水酸化ナトリウム水溶液」「塩化銅水溶液」「エタノール水溶液」を用意しました。
 実験を行ってみると、次のようになります。
https://rika-net.com/outline.php?id=00002058011f&top=1
(理科ねっとわーくより)
塩酸(塩化水素の水溶液)・・・〇(電流が流れる)
水酸化ナトリウム水溶液・・・〇(電流が流れる)
塩化銅水溶液・・・〇(電流が流れる)
エタノール水溶液・・・×(電流は流れない)

 ちなみに、水酸化ナトリウムに電流を流す実験を2年生時にやったことがあることを覚えていますか?
 そうです!水の電気分解の実験です。
 水の電気分解実験はまさに、水酸化ナトリウム水溶液に電流を流すことになります。
 詳しい説明は、この記事をご覧ください。
水の電気分解の問題~難しい? ポイントは化学反応式が書けること~
 なお、「食塩水」や「砂糖水」「蒸留水」を実験してみると次のようになります。
食塩水・・・〇(電流が流れる)
砂糖水・・・×(電流は流れない)
蒸留水・・・×(電流は流れない)

 では、海水ではどうなるでしょうか?
 知ってのとおり、海水には食塩が溶けています。
 正確には、食塩以外にもいろいろな物が溶けています。
 食塩水に電流が流れるということは、海水にも電流が流れることがわかります。
 だから、海水は電気を通しやすいというのは、本当です。

2 水溶液を2つに分けてみよう

 このようにみると、水溶液には次の視点で、2種類に分けることができます。
電流が流れるか、流れないか
 それでは、まとめとして言葉を覚えましょう。
電解質・・・水にとけると電流が流れる物質
非電解質・・・水にとけても電流が流れる物質

 また、先ほどの実験をよ~~~く観察すると、電極付近で泡(気体)が出ていることがわかります。
電流が流れる水溶液は、何かが変化している
ことを覚えておいてください。
 どのようなことが起こっているのかは、次回の記事で説明します。

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