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定比例の法則~物質は決まった比で化合する 難しそうでワンパターン問題の典型~

・金属を加熱したときにどうして質量が増えるのかがわからない
・定比例の法則を使った計算問題が解けない

という人の悩みを解決します。

 こんにちは。頭文字(あたまもんじ)Dです。
 中学生に勉強を教えてかれこれ25年以上になります。その経験を活かして、「授業を聞いても理科がわからない人」を「なるほど、そういうことだったのか」と納得してもらおうとこの記事を書いています。
 今回は、中学2年生理科化学変化の単元の中から「定比例の法則」を説明します。
 「定比例の法則って何?授業で習っていないよ。」と疑問を持った人が多いと思います。そうです、今は「定比例の法則」という言葉は使われなくなったので、ピンとこない人が多いはずです。
 どのようなものかというと、「銅と酸素は4:1で化合する」「マグネシウムと酸素は3:2になる」というものです。
 それなら、全ての中学2年生が習っているはずです。
 どうして今は使われていない言葉を使っているのかというと、便利だからです。他に一言でこの現象を表す言葉がなかったので、「定比例の法則」という言葉を使っていきます。
 ご了承ください。

(なお、化学式で、下につける数字が書けないので赤字で書いてあります。)

 

1 銅の酸化と質量の変化

1-1 銅の酸化の実験~銅と結びつく酸素の質量は比例する~

 最初に、銅の酸化について考えていきましょう。
 実験の様子を見てみましょう。いつもお世話になっている「理科ねっとわーく」の映像です。
https://rika-net.com/outline.php?id=00002057004g&top=1

 ここで、少し疑問を持つ人がいるかもしれません。
 「前回、”質量は保存する(変わらない)”って習ったのに、今回は質量が増えてるじゃん」と。
 このことを説明するために、モデルを使った実験を行ってみましょう。
 最初に銅の質量を測ります。銅が2つで16gになります。

 ここで、天びんの横に酸素分子があるのがわかるでしょうか?
 酸素分子は空気中を漂っているので、天びんの上にはありません。だから、天びんで酸素の質量は測ることができません。
 続いて、加熱した後の様子を見てみましょう。
 銅と酸素が化合して”酸化銅”ができました。
 酸化銅の質量を測ってみましょう。・・・すると、さっき空気中に合った酸素が銅にくっついて天びんの上に乗ることになります。
 もうこれでわかったでしょう。
最初天びんの上に載っていなかった酸素が天びんの上に乗るので、質量は増える
のです。
 もちろん、最初の銅の量が多くなれば結びつく酸素の質量も増えていきます。
 グラフにすると
原点を通る直線のグラフ
になります。
 小学校の算数でも習ったと思いますが、
原点を通る直線のグラフ=比例のグラフ
なので、
銅と結びつく酸素の質量は比例する
 と言えます。

1-2 銅と酸素が結びつく質量比

 1-1で、銅と結びつく酸素の質量は比例することがわかりました。
 「比例する」ということは、必ず比で表すことができるということです。
 そこで、化学反応式とモデル実験の結果から、銅と結びつく酸素の質量比を考えてみましょう。
 銅と酸素が結びつくときの化学反応式は
2Cu + O2 → 2CuO
でしたね。
 (よくわからないという人は、こちらをご覧ください。)
酸素と結びつく反応~意外といろいろなところで利用されている酸化反応~
 最初、天びんで計った銅(Cu)の質量は16gでした。
 反応後の酸化銅(CuO)の質量は20gでした。
ということは、銅に結び付いた酸素の質量は20gー16gで4gであると考えられます。
 実際に酸素分子(O2)の質量を計ってみましょう。

ということで、4gだということがわかりました。

 化学反応式の下に質量を書くと
<b>2Cu + O2 → 2CuO
 16 : 4 : 20</b>
となり、簡単な整数比で表すと
<b>2Cu + O2 → 2CuO
4 : 1 : 5</b>
となります。
 数字が3つ書いてあると、計算しにくいので2つずつに分けてみましょう。
 銅と結び付いた酸素の質量の比は
;銅:酸素=4:1
 酸化銅と結びついた酸素の質量の比は
銅:酸化銅=4:5
となります。
 この「銅:酸素=4:1」「銅:酸化銅=4:5」という数字を覚えておきましょう。
 

 1-3 問題を解いてみよう(銅の酸化編)<h2>
 それでは、問題を解いていきます。
 問題1 銅12.4gに結び付くことができる酸素の質量は何gか。
 まずは、自分で解いてみてください。
 下の方に解答と解説を書いておくので、スクロールしてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】
3.1g
【解説】
先ほどの実験で説明したように銅と酸素は
銅:酸素=4:1
で結びつく。
この問題では銅は12.4gなので、
4:1=12.4
という比になる。
比の問題は「外側の数字をかけたものと、内側の数字をかけたものは等しくなる」ので
4X=12.4
b>
となる。
 最後に両辺を4で割ると
X=3.1
となるので、結びついた酸素は
3.1g
である。

 

 

続いて、次の問題を解いてみましょう。
問題2 銅12.4gを加熱してできる酸化銅の質量は何gか。
 この問題もまずは自分で解いてみましょう。

【解答】
15.5g
【解説】
 この問題の解き方は2通りあります。
①先ほどの答えを使う方法
銅12.4gに酸素3.1gが結びついたので、
12.4(g)+3.1(g)=15.5(g)
②比を使う方法&lt
銅と酸化銅の質量の比は4:5なので
4:5=12.4:X
4X=5×12.4
4X=62
X=15.5(g)

 定比例の法則をこのように使って問題を解いていきます。
 慣れていない人にとっては計算が難しく感じるかもしれませんが、理科の計算問題の半分くらいは比の計算で解くことができます。
 逆に言うと、比の計算だけできるようになれば、計算問題はかなり解けるということになり、

ワンパターンな問題

と言えます。

 理科のテストの隠れた法則を紹介します。

 それは

難しい問題ほど、ワンパターンになる
ということです。

この問題も典型的なワンパターン問題です。

だから、きちんと解けるように、繰り返し問題を解きましょう。

 

2 マグネシウムの酸化と酸化マグネシウムの

2-1 マグネシウムは白い光を出して輝く

 銅と同じく、マグネシウムと結びつく酸素の質量も覚えておく必要があります。
 先ほどと同じように、モデルを使ってみてみましょう。
 最初に、マグネシウムが2つあります。2つで6gになっています。

 このマグネシウムを加熱して酸化させます。
 すると、酸素が結び付いて、10gになりました。
 酸素の質量は先ほどと同じように4gです。
 マグネシウムの酸化の化学反応式は
2Mg + O2 → 2MgO
なので、質量を下に書きます。

 なお、マグネシウムが酸化するときの化学反応式については、こちらに詳しく説明しているのでご覧ください。

酸素と結びつく反応~意外といろいろなところで利用されている酸化反応~
2Mg + O2 → 2MgO
6    4    10
=3 :  2  :  5

となります。
 これも数字が3つ並んでいると使いにくいので2つずつに分けます。
マグネシウム:酸素=3:2
マグネシウム:酸化マグネシウム=3:5

となります。
 この数字をよく覚えておきましょう。

2-2 問題を解いてみよう(マグネシウムの酸化編)

 それでは、問題です。
問題3 マグネシウム6.9gに結びつくことができる酸素の質量は何gか。

【解答】
4.6g
【解説】
マグネシウムと酸素は3:2で結びつくので
3:2=6.9:X
となる。
「外側をかけたものと内側をかけたものは等しくなる」ので
3X=2×6.9
3X=13.8
X=4.6

 続いての問題です。

問題4 マグネシウム6.9gが完全に酸素と結びついてできる酸化マグネシウムの質量は何gか。

【解答】
11.5g
【解答】
① マグネシウム6.9gに、酸素が4.6g結びついたので
6.9 + 4.6 = 11.5
② マグネシウムと酸化マグネシウムの比は3:5なので、
3:5=6.9:X
3X=5×6.9
3X=34.5
X=11.5

 どちらで解いても同じ答えになるので、やりやすい方で解くようにしてください。

 今日は定比例の法則の基本的な部分を学習しました。
 次回は、応用編の解き方を紹介していきます。

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